保育の仕事では、日常的にたくさんの専門用語が使われています。保育士・幼稚園教諭を目指す方や、保育の仕事で分からない言葉がある方のために、保育業界の専門用語を五十音順で解説します。
(※新しいワードを続々追加中です)
(あずかりほいく)(えんちょうほいく)
保育園や幼稚園で、通常の営業時間外に子どもを預かるシステムのこと。基本的にはその園に通園している子どもが対象で、保護者の仕事の都合や家庭の事情など、様々な理由で活用されています。園の定時後に預かるケースが多いですが、定時前の時間帯や土日祝日などに預かるケースも含まれます。
(いちじほいく)
保育園・幼稚園に通っていない子ども(待機児童など)を対象に、1日単位、もしくは時間単位で一時的に保育を引き受けるシステムのこと。認可保育園、認可外保育施設、地域の子育てサポートセンターなどで実施されており、保護者の急用や急病といった緊急事態を中心に活用されています。
(いねんれいほいく)
保育園や幼稚園などで、年齢の異なる子どもたちが一緒に過ごし、互いに学び合う形式の保育のこと。「異年齢交流保育」「縦割り保育」などとも呼ばれます。異年齢の子どもたちが同じグループで活動することで、年長の子どもはリーダーシップや思いやりを発揮する経験ができ、年少の子どもはお兄さんお姉さんから社会性・やコミュニケーション能力を学べるなど、どちらにとっても集団生活に必要な能力を身につけるきっかけとして役立ちます。
(いんくるーしぶほいく)
障がいの有無などで保育の場を分けることをせず、全ての子どもが一人ひとりに必要な援助を受けながら、包括的に保育を受けること。障がいの有無で組(クラス)を分ける「分離教育」や、障がい児への援助が重視される「統合教育」といった従来のスタイルを脱却し、「全ての子どもが互いに個性を尊重し合い、一人ひとりに必要な支援が確保される」という、多様性・共生社会における新たな保育の形として、世界的に注目が集まっています。
(いんくるーじょん)
英語で「包括(色々なものを1つに取りまとめること)」や「包含(包み込み、中に含んでいること)」を意味する言葉。近年は「あらゆる人が、人種・性別・障がいの有無といった様々な違いによって差別されることなく、その個性や属性を互いに受け入れ、尊重し合っている状態」を表す言葉として用いられており、保育や教育の現場では、この状態を実現させる「インクルーシブ保育(教育)」が注目されています。
(がくどうほいく)
保護者が勤めに出ている学童(小学生)を対象に、放課後の数時間程度、子どもを預かり見守る施設やサービスのこと。「学童クラブ」「放課後児童クラブ」等とも呼ばれます。職員は子どもたちと一緒に遊んだり、宿題を見たりするほか、場合によっては夕食や入浴までケアするケースもあります。また、放課後だけでなく、土日祝日や長期休暇中に子どもを受け入れている施設もあります。
(かていてきほいく)
「家庭的保育事業」のことで、保育士の自宅やマンションの一室などを利用して、少人数の子どもを預かる保育サービスを指します。対象年齢は0〜2歳、保育士1〜2人に対して子ども3〜5人が定員となり、小規模ならではの手厚いケアと子どもたち一人ひとりのニーズに応じた保育を提供できるメリットがあります。家庭的保育を行う保育士(家庭的保育事業者)は「保育ママ」とも呼ばれます。
(きょたくほうもんがたほいく)
特定の条件に合致する子どもを対象に、保育士が子どもの家を訪問して保育を行うサービスのことです。対象年齢は0〜2歳で、主に集団保育が困難な障がいを持つ子どもや、地域や家庭の事情で保護者による保育が難しい子ども(待機児童を含む)に対して提供されます。子ども1人に対して保育士1人のマンツーマン体制が必須となり、利用するための条件など一般のベビーシッターとは異なるルールが定められています。
(げきあそび)
保育の手法の1つとして、子どもたちがストーリーに沿ってそれぞれの役割を演じる遊びです。発表会などを通して保護者にお披露目される場合もありますが、とくに発表の機会を設けない劇遊びもあります。子どもたちは、この遊びを通じて想像力や表現力を養い、他の子どもと一緒に1つのストーリーを演じることでコミュニケーション能力や協調性も身につけることができます。
(げつれい)
1歳児未満の乳児に対して使われる、生まれてからの月数を指す言葉です。その乳児が生まれた日(生後0日)を基点とし、翌月の同じ日付を「生後1ヶ月」、翌々月の同じ日付を「生後2ヶ月」というように数えます。保育や育児の現場では、乳児の成長や発達の段階を把握するために用いられ、適切なサポートを行うためには月齢に応じた発達の目安を知ることが不可欠です。
(こうりゅうほいく)
保育園や幼稚園に通う子どもたちが、他園の子どもや地域の高齢者など、園外の人々と交流する機会を設けること。園の垣根を越えた合同遠足や運動会、近隣のデイサービスセンターの利用者との交流会など、形式は多岐に渡ります。様々な人々と触れ合うことは、子どもたちの社会性や協調性、情緒を養う一助になります。
(こそだてしえん)
乳幼児を中心とした子どもと、子どもを持つ家庭に対して、育児に関するサポートや支援を提供する活動のこと。主に行政や地域の保育施設が中心となって、必要とされる保育サービスの提供や、保護者の悩み相談などを行います。なお、こども家庭庁による「子ども・子育て支援制度」は、幼児期の教育・保育、地域の子育て支援の拡充・質の向上を目的とした制度であり、児童手当や仕事・子育て両立支援事業などについて定めています。
(こどもえん)(にんていこどもえん)
内閣府が管轄する、保育園と幼稚園の両方の機能を兼ね備えた保育施設のこと。保育と教育を両立できることや、保護者の状況の変化にフレキシブルに対応できることが特徴です。「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4タイプがあり、0歳〜小学校就学前までの幅広い子どもの受け入れが可能となっています。
(こどもかていちょう)
子どもやその家庭を取り巻く課題に対して、総合的な支援を行うための行政機関です。かつて複数の省庁にまたがっていた子ども関連の施策を、よりスムーズに進めるため、2023年4月に発足されました。子育て支援や虐待防止、教育環境の改善など、幅広い分野にわたり、子どもたちの健全な成長を支えるための政策を実施しています。
(こどもまんなかしゃかい)
こども家庭庁が主導となって取り組んでいる、「こども基本法」に基づくビジョン。子どもを社会の中心に据え、子どもの権利やウェルビーイングを尊重し、社会全体で支援していく理念のこと。すべての子どもが健やかに育つことができる環境を整えるため、行政や地域、企業が一体となって取り組む社会づくりを推進しています。
(じぎょうしょないほいく)
企業が、そこで働く従業員の子どもを預かり、事業所の中で行われる保育のこと。複数の企業が合同で運営する場合もあります。かつて事業所内保育園は全て認可外保育施設とされていましたが、2015年施行の「子ども・子育て支援新制度」により、現在では一定の基準をクリアした施設については自治体の認可施設扱いとなっています。
(じどう)
学校教育法で、主に満6〜12歳の学齢児童を指す言葉。小学校に通う子どもを指す場合が多いですが、福祉制度においてはより広い年齢範囲に使われるケースもあります。すべての児童が良好な環境に生まれ、心身ともに健やかに育成される権利は、児童福祉法により保護されています。
(じどうかん)
自治体やNPO法人、民間企業などによって運営される、18歳未満のすべての子どもが自由に利用することができる児童福祉施設のこと。子どもたちが安全に遊び学ぶことができる場所として地域に設置され、保護者も安心して子育てができるように支援するための施設です。室内遊びや学習支援、文化活動など多様なプログラムを提供し、子どもたちの社会性や創造性を育む場として機能しています。
(じどうこうせいにきゅうしどういん)
(一財)児童健全育成推進財団が認定する資格の1つです。児童福祉施設や放課後児童クラブなどで子どもたちの保育や指導を行い、遊びや生活を通した健全な心身の発達を支援することができる人材を育成・認定しています。資格取得には子どもの健康や心理および教育に関する専門知識が求められ、定められた研修を受けることが必須となります。
(じどうふくしほう)
18歳未満の児童の健全な成長や、その生活が保障されることを目的として、1948年に施行された法律です。主な内容は、児童福祉の基本的な理念について、福祉にまつわる制度や子育て支援について、児童福祉施設などの事業について、里親に関すること、子どもの健康保険に関することなど。保育士の定義や資格取得要件も、児童福祉法に基づいて定められています。
(じどうようごしせつ)
児童福祉法によって規定される児童福祉施設の一つで、保護者がいない児童や虐待を受けている児童など、公的機関による養護を必要とする児童のための施設です。主に1歳〜18歳未満までの(乳児以外の)児童が対象となり、子どもたちの保護と育成、自立支援を目的としています。
(しょうがいじほいく)
障がいを持つ子どもに対し、必要な支援とともに行われる保育サービスのこと。身体的障がい、知的障がい、発達障がいなど、子どもたちが抱える障がいは様々です。障がい児保育の現場では、子どもたち一人ひとりの状況に合わせた対応が重視され、理学療法士や作業療法士といった保育士以外の専門家がサポートに当たるケースもあります。
(しょうきぼほいく)
0~5歳児を対象とする保育施設のうち、定員6~19人の範囲で運営されるもののこと。もともとは認可外保育施設とされていましたが、2015年施行の「子ども・子育て支援新制度」により、自治体の認可事業の位置づけとなりました。また、かつては2歳児までの定めがありましたが、2023年に対象年齢が引き上げられています。
(たてわりほいく)
「0歳児」「1歳児」といったクラス分けをせず、様々な年齢の子どもたちを同じクラスで保育すること。「異年齢保育」「混合保育」とも呼ばれます。年齢を越えた交流を通して、協調性や思いやりの心を育みやすいと言われています。常に縦割り保育を実施している園だけでなく、曜日や日程を決めてイベント的に取り入れている園もあります。
(てあそび)
歌のリズムや歌詞に合わせて、手や指、身体を動かして楽しむ遊びのこと。特別な道具も広い場所も要らず、幅広い月齢・年齢の子どもたちが、1人でも多人数でも楽しむことが可能です。また、子どもたちの脳を刺激して情緒の発育を促し、想像力や語彙力を育み、コミュニケーション能力や運動能力を向上させるといった効果も期待できます。
(ならしほいく)
新しく入園する子どもを対象に、新生活にスムーズに移行できるよう、一定期間は短時間のみの登園を重ねるシステム。保護者と離れることへの不安や環境の変化によるストレスなど、子どもたちにかかる心身の負担を軽減するために行われます。数日〜1ヶ月を目安に保育時間の調整を行い、園で預かる時間を徐々に増やしていきます。
(にゅうじ)
母乳やミルクを飲んでいる時期の、赤ちゃんのこと。とくに児童福祉法では、満1歳未満の子どもを「乳児」と呼びます。この時期には、首がすわる、寝返りを打つといった基本的な身体の発達が見られ、成長の速度や変化の仕方に個人差も大きく現れるため、保育の現場では個々の成長段階に合わせた細やかなケアが求められます。
(にゅうじいん)
児童福祉法によって規定される児童福祉施設の一つで、何らかの事情により、保護者が家庭で育てられない状況にある乳幼児を養育する施設です。対象となるのは、保護者の病気・死亡・受刑といった事情により養育が難しい乳幼児や、虐待・ネグレクトの被害児童など。基本的には0歳〜2歳児が対象ですが、必要性が認められれば3歳以上の子どもの養育も行います。
(にゅうじき)
生まれてから1歳までの期間のこと。児童福祉法では、満1歳未満の子どもを「乳児」、子どもが乳児の期間を「乳児期」と呼びます。この時期の子どもは身体の成長が著しく、首がすわる、寝返りをうつ、ハイハイするなどの基本的な運動能力が発達します。また、豊かな感情が育成されていく時期でもあるため、保護者や保育者との関わりや、安心して過ごせる環境を整えることが大切です。
(にゅうようじ)
乳児と幼児を合わせた総称。児童福祉法では、生後0日から28日未満までを「新生児」、満1歳未満までの赤ちゃんを「乳児」、満1歳から小学校就学までの子どもを「幼児」と呼び分けてます。乳児期から幼児期にかけては、心身ともに大きく変化していく時期です。この時期の保育では、それぞれの成長や個性に応じたサポートが求められます。
(にんかほいくえん)
一定の基準を満たし、自治体からの認可を受けて運営されている保育施設のこと。認可を受けるには、児童福祉法で定められた設置基準(保育士の数や施設の広さ、安全対策など)をクリアする必要があります。入園対象となるのは0〜5歳の子どもで、国や自治体から園に対して補助金が支給されます。
(にんしょうほいくえん)(にんていほいくえん)
東京都が独自に定めた基準を満たし、認証(認定)を受けて運営されている保育施設です。あくまでも自治体独自の基準に基づく認証であり、分類としては認可外保育園に含まれます。認可保育園に比べると定員や運営時間などに柔軟性があるため、特に都心部で働く保護者にとって利用しやすい選択肢の1つとなっています。
(はったつしんりがく)
人間が生まれてから死ぬまでの精神の発達や心理的な変化を研究する学問のこと。とくに子どもの成長過程では、身体的、認知的、社会的、感情的といった各側面において、多くの変化が起こります。保育士の仕事では、発達心理学の知識を活かして、子どもたち一人ひとりがその発達段階に応じた適切な支援を受けられるように、保育計画の立案・実践を目指すことが大切です。
(はったつだんかい)
子どもが成長する過程で、身体的、情緒的、知的に発達していく段階のこと。文部科学省によれば、発達段階は(1)乳幼児期(2)学童期(3)青年前期(中学校)(4)青年中期(高等学校)の4つに分類されますが、保育の現場では「乳児期(~1歳未満)」「幼児期前期(1歳~3歳)」「幼児期後期(3歳~6歳)」といった分類が用いられることも多いです。
(びょうじほいく)
風邪で発熱した場合など、健康状態が優れない子どもたちを対象に、医療機関や専門施設、保育所内の専用スペース内で保育とともに看護ケアを行うサービスのことです。預かり基準(対象となる子どもの年齢や病状など)は各施設や自治体によって異なります。子どもの病中・病後という、一般的な保育園等での集団保育が難しい場面では、病児保育が働く保護者の手助けになります。
(ほいくえん)
保育所の通称で、厚生労働省が管轄する児童福祉施設の一つです。生活面と遊びの両面から子どもを見守り、保育することを目的としています。保育園は、主に保護者の仕事や妊娠出産、入院等の事情により家庭での保育が難しい子どもを預かる施設であるため、保護者の就労状況等の入園条件が定められています。0歳〜小学校就学前までの子どもが対象となります。
(ほいくし)
厚生労働省が管轄する「保育士資格」を取得して、0〜5歳の未就学児の保育を担う人のこと。主に保育園や児童養護施設などに勤務し、保護者に代わって子どもたちの保育(見守りと安全確保、生活習慣のトレーニングなど)を行います。なお、保育士資格は児童福祉法に基づく国家資格です。
(ほいくそーしゃるわーく)
保育や子育てに関して、子どもやその家族が直面する様々な問題を解決するための相談支援のこと。ソーシャルワーク(social work)は英語で「社会福祉事業」を指す言葉であり、保育ソーシャルワークでは子どもたちが安心して成長できる環境を整えることが目標となります。家庭内での虐待やDV、経済的困窮、児童の発達に関する不安など、保育士と保護者だけでは解決が難しい問題に対応し、相談支援や訪問、自治体と連携した支援などを通して解決を図ります。
(ほうかごじどうくらぶ)
仕事などの事情により保護者が昼間家庭にいない小学生を、学校の空き教室や児童館などで預かる事業や施設のこと。目的は「児童に適切な遊びや生活の場を与えて、健全な育成を図ること」で、法律上の名称は「放課後児童健全育成事業」。他に「学童保育」「学童クラブ」等とも呼ばれます。預かるのは平日の放課後が中心ですが、土日祝日や長期休暇中に受け入れを行う施設もあります。
(ようじ)
児童福祉法における、満1歳から小学校に就学するまでの子どものこと。この時期は子どもの身体・情緒・知力が大きく成長・変化していく時期であり、保護者や保育者、他の子どもとの関わりが重要になります。成長には個人差がありますが、一般的には1〜2歳にかけて歩行能力や知的好奇心が育ち、3〜4歳にかけて体力や知力が向上していき、5歳ごろにはスポーツを楽しめるくらいの運動能力や社会性が身についていきます。
(ようちえん)
文部科学省が管轄する教育機関の一つ。分類としては「学校」にあたり、主に知育や教育的な側面の発達を促すことを目的としています。保育園と異なり、幼稚園には保護者の就労状況等の入園条件は設定されていません。このため、基本的にどの家庭でも入園の申し込みが可能です。3歳〜小学校就学前までの子どもが対象となります。
(ようちえんきょうゆ)
文部科学省が管轄する「幼稚園教諭免許」を取得して、3〜5歳の子どもたちの教育を担う人のこと。主に幼稚園などに勤務し、小学校入学に備えて基礎的な教育(カリキュラムに沿った学習や遊びなど)を行います。なお、幼稚園教諭免許は教育職員免許法に基づく教員免許です。
(ようほれんけいがたにんていこどもえん)
保育園で行われる「保育」と、幼稚園で行われる「教育」という2つの機能を兼ね備えた「認定こども園」のうち、保育園と幼稚園の両方の認可を持つ施設のこと。0歳〜小学校就学前までの子どもの保育・教育を一元化して行うことが可能です。また保育園とは異なり、保護者はその就労状況にかかわらず子どもを預けることができます。
(りずむあそび)
音楽やリズムに合わせて体を動かしたり、楽器を使って遊んだりする活動のこと。自由に身体を動かすこともあれば、体操やダンスなどの決まった動きをみんなで一緒に行うこともあります。この遊びを通して子どもたちは、リズムに乗って動く楽しさや、身体を使って表現する面白さを学び、運動能力や表現力、協調性を育みます。
(りとみっく)
スイスの音楽家ジャック・ダルクローズが考案した、音楽と運動を組み合わせた教育手法。リズムに合わせて楽しく身体を動かすことを通し、子どもたちの心身における様々な能力の発達を促す音楽教育法です。リズム感や身体能力を向上させるだけでなく、知的好奇心を刺激して情緒を発達させることにも役立つとされています。
保育の仕事では、日常的にたくさんの専門用語が使われています。保育士・幼稚園教諭を目指す方や、保育の仕事で分からない言葉がある方のために、保育業界の専門用語を五十音順で解説します。
(※新しいワードを続々追加中です)
(あずかりほいく)(えんちょうほいく)
保育園や幼稚園で、通常の営業時間外に子どもを預かるシステムのこと。基本的にはその園に通園している子どもが対象で、保護者の仕事の都合や家庭の事情など、様々な理由で活用されています。園の定時後に預かるケースが多いですが、定時前の時間帯や土日祝日などに預かるケースも含まれます。
(いちじほいく)
保育園・幼稚園に通っていない子ども(待機児童など)を対象に、1日単位、もしくは時間単位で一時的に保育を引き受けるシステムのこと。認可保育園、認可外保育施設、地域の子育てサポートセンターなどで実施されており、保護者の急用や急病といった緊急事態を中心に活用されています。
(いねんれいほいく)
保育園や幼稚園などで、年齢の異なる子どもたちが一緒に過ごし、互いに学び合う形式の保育のこと。「異年齢交流保育」「縦割り保育」などとも呼ばれます。異年齢の子どもたちが同じグループで活動することで、年長の子どもはリーダーシップや思いやりを発揮する経験ができ、年少の子どもはお兄さんお姉さんから社会性・やコミュニケーション能力を学べるなど、どちらにとっても集団生活に必要な能力を身につけるきっかけとして役立ちます。
(いんくるーしぶほいく)
障がいの有無などで保育の場を分けることをせず、全ての子どもが一人ひとりに必要な援助を受けながら、包括的に保育を受けること。障がいの有無で組(クラス)を分ける「分離教育」や、障がい児への援助が重視される「統合教育」といった従来のスタイルを脱却し、「全ての子どもが互いに個性を尊重し合い、一人ひとりに必要な支援が確保される」という、多様性・共生社会における新たな保育の形として、世界的に注目が集まっています。
(いんくるーじょん)
英語で「包括(色々なものを1つに取りまとめること)」や「包含(包み込み、中に含んでいること)」を意味する言葉。近年は「あらゆる人が、人種・性別・障がいの有無といった様々な違いによって差別されることなく、その個性や属性を互いに受け入れ、尊重し合っている状態」を表す言葉として用いられており、保育や教育の現場では、この状態を実現させる「インクルーシブ保育(教育)」が注目されています。
(がくどうほいく)
保護者が勤めに出ている学童(小学生)を対象に、放課後の数時間程度、子どもを預かり見守る施設やサービスのこと。「学童クラブ」「放課後児童クラブ」等とも呼ばれます。職員は子どもたちと一緒に遊んだり、宿題を見たりするほか、場合によっては夕食や入浴までケアするケースもあります。また、放課後だけでなく、土日祝日や長期休暇中に子どもを受け入れている施設もあります。
(かていてきほいく)
「家庭的保育事業」のことで、保育士の自宅やマンションの一室などを利用して、少人数の子どもを預かる保育サービスを指します。対象年齢は0〜2歳、保育士1〜2人に対して子ども3〜5人が定員となり、小規模ならではの手厚いケアと子どもたち一人ひとりのニーズに応じた保育を提供できるメリットがあります。家庭的保育を行う保育士(家庭的保育事業者)は「保育ママ」とも呼ばれます。
(きょたくほうもんがたほいく)
特定の条件に合致する子どもを対象に、保育士が子どもの家を訪問して保育を行うサービスのことです。対象年齢は0〜2歳で、主に集団保育が困難な障がいを持つ子どもや、地域や家庭の事情で保護者による保育が難しい子ども(待機児童を含む)に対して提供されます。子ども1人に対して保育士1人のマンツーマン体制が必須となり、利用するための条件など一般のベビーシッターとは異なるルールが定められています。
(げきあそび)
保育の手法の1つとして、子どもたちがストーリーに沿ってそれぞれの役割を演じる遊びです。発表会などを通して保護者にお披露目される場合もありますが、とくに発表の機会を設けない劇遊びもあります。子どもたちは、この遊びを通じて想像力や表現力を養い、他の子どもと一緒に1つのストーリーを演じることでコミュニケーション能力や協調性も身につけることができます。
(げつれい)
1歳児未満の乳児に対して使われる、生まれてからの月数を指す言葉です。その乳児が生まれた日(生後0日)を基点とし、翌月の同じ日付を「生後1ヶ月」、翌々月の同じ日付を「生後2ヶ月」というように数えます。保育や育児の現場では、乳児の成長や発達の段階を把握するために用いられ、適切なサポートを行うためには月齢に応じた発達の目安を知ることが不可欠です。
(こうりゅうほいく)
保育園や幼稚園に通う子どもたちが、他園の子どもや地域の高齢者など、園外の人々と交流する機会を設けること。園の垣根を越えた合同遠足や運動会、近隣のデイサービスセンターの利用者との交流会など、形式は多岐に渡ります。様々な人々と触れ合うことは、子どもたちの社会性や協調性、情緒を養う一助になります。
(こそだてしえん)
乳幼児を中心とした子どもと、子どもを持つ家庭に対して、育児に関するサポートや支援を提供する活動のこと。主に行政や地域の保育施設が中心となって、必要とされる保育サービスの提供や、保護者の悩み相談などを行います。なお、こども家庭庁による「子ども・子育て支援制度」は、幼児期の教育・保育、地域の子育て支援の拡充・質の向上を目的とした制度であり、児童手当や仕事・子育て両立支援事業などについて定めています。
(こどもえん)(にんていこどもえん)
内閣府が管轄する、保育園と幼稚園の両方の機能を兼ね備えた保育施設のこと。保育と教育を両立できることや、保護者の状況の変化にフレキシブルに対応できることが特徴です。「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4タイプがあり、0歳〜小学校就学前までの幅広い子どもの受け入れが可能となっています。
(こどもかていちょう)
子どもやその家庭を取り巻く課題に対して、総合的な支援を行うための行政機関です。かつて複数の省庁にまたがっていた子ども関連の施策を、よりスムーズに進めるため、2023年4月に発足されました。子育て支援や虐待防止、教育環境の改善など、幅広い分野にわたり、子どもたちの健全な成長を支えるための政策を実施しています。
(こどもまんなかしゃかい)
こども家庭庁が主導となって取り組んでいる、「こども基本法」に基づくビジョン。子どもを社会の中心に据え、子どもの権利やウェルビーイングを尊重し、社会全体で支援していく理念のこと。すべての子どもが健やかに育つことができる環境を整えるため、行政や地域、企業が一体となって取り組む社会づくりを推進しています。
(じぎょうしょないほいく)
企業が、そこで働く従業員の子どもを預かり、事業所の中で行われる保育のこと。複数の企業が合同で運営する場合もあります。かつて事業所内保育園は全て認可外保育施設とされていましたが、2015年施行の「子ども・子育て支援新制度」により、現在では一定の基準をクリアした施設については自治体の認可施設扱いとなっています。
(じどう)
学校教育法で、主に満6〜12歳の学齢児童を指す言葉。小学校に通う子どもを指す場合が多いですが、福祉制度においてはより広い年齢範囲に使われるケースもあります。すべての児童が良好な環境に生まれ、心身ともに健やかに育成される権利は、児童福祉法により保護されています。
(じどうかん)
自治体やNPO法人、民間企業などによって運営される、18歳未満のすべての子どもが自由に利用することができる児童福祉施設のこと。子どもたちが安全に遊び学ぶことができる場所として地域に設置され、保護者も安心して子育てができるように支援するための施設です。室内遊びや学習支援、文化活動など多様なプログラムを提供し、子どもたちの社会性や創造性を育む場として機能しています。
(じどうこうせいにきゅうしどういん)
(一財)児童健全育成推進財団が認定する資格の1つです。児童福祉施設や放課後児童クラブなどで子どもたちの保育や指導を行い、遊びや生活を通した健全な心身の発達を支援することができる人材を育成・認定しています。資格取得には子どもの健康や心理および教育に関する専門知識が求められ、定められた研修を受けることが必須となります。
(じどうふくしほう)
18歳未満の児童の健全な成長や、その生活が保障されることを目的として、1948年に施行された法律です。主な内容は、児童福祉の基本的な理念について、福祉にまつわる制度や子育て支援について、児童福祉施設などの事業について、里親に関すること、子どもの健康保険に関することなど。保育士の定義や資格取得要件も、児童福祉法に基づいて定められています。
(じどうようごしせつ)
児童福祉法によって規定される児童福祉施設の一つで、保護者がいない児童や虐待を受けている児童など、公的機関による養護を必要とする児童のための施設です。主に1歳〜18歳未満までの(乳児以外の)児童が対象となり、子どもたちの保護と育成、自立支援を目的としています。
(しょうがいじほいく)
障がいを持つ子どもに対し、必要な支援とともに行われる保育サービスのこと。身体的障がい、知的障がい、発達障がいなど、子どもたちが抱える障がいは様々です。障がい児保育の現場では、子どもたち一人ひとりの状況に合わせた対応が重視され、理学療法士や作業療法士といった保育士以外の専門家がサポートに当たるケースもあります。
(しょうきぼほいく)
0~5歳児を対象とする保育施設のうち、定員6~19人の範囲で運営されるもののこと。もともとは認可外保育施設とされていましたが、2015年施行の「子ども・子育て支援新制度」により、自治体の認可事業の位置づけとなりました。また、かつては2歳児までの定めがありましたが、2023年に対象年齢が引き上げられています。
(たてわりほいく)
「0歳児」「1歳児」といったクラス分けをせず、様々な年齢の子どもたちを同じクラスで保育すること。「異年齢保育」「混合保育」とも呼ばれます。年齢を越えた交流を通して、協調性や思いやりの心を育みやすいと言われています。常に縦割り保育を実施している園だけでなく、曜日や日程を決めてイベント的に取り入れている園もあります。
(てあそび)
歌のリズムや歌詞に合わせて、手や指、身体を動かして楽しむ遊びのこと。特別な道具も広い場所も要らず、幅広い月齢・年齢の子どもたちが、1人でも多人数でも楽しむことが可能です。また、子どもたちの脳を刺激して情緒の発育を促し、想像力や語彙力を育み、コミュニケーション能力や運動能力を向上させるといった効果も期待できます。
(ならしほいく)
新しく入園する子どもを対象に、新生活にスムーズに移行できるよう、一定期間は短時間のみの登園を重ねるシステム。保護者と離れることへの不安や環境の変化によるストレスなど、子どもたちにかかる心身の負担を軽減するために行われます。数日〜1ヶ月を目安に保育時間の調整を行い、園で預かる時間を徐々に増やしていきます。
(にゅうじ)
母乳やミルクを飲んでいる時期の、赤ちゃんのこと。とくに児童福祉法では、満1歳未満の子どもを「乳児」と呼びます。この時期には、首がすわる、寝返りを打つといった基本的な身体の発達が見られ、成長の速度や変化の仕方に個人差も大きく現れるため、保育の現場では個々の成長段階に合わせた細やかなケアが求められます。
(にゅうじいん)
児童福祉法によって規定される児童福祉施設の一つで、何らかの事情により、保護者が家庭で育てられない状況にある乳幼児を養育する施設です。対象となるのは、保護者の病気・死亡・受刑といった事情により養育が難しい乳幼児や、虐待・ネグレクトの被害児童など。基本的には0歳〜2歳児が対象ですが、必要性が認められれば3歳以上の子どもの養育も行います。
(にゅうじき)
生まれてから1歳までの期間のこと。児童福祉法では、満1歳未満の子どもを「乳児」、子どもが乳児の期間を「乳児期」と呼びます。この時期の子どもは身体の成長が著しく、首がすわる、寝返りをうつ、ハイハイするなどの基本的な運動能力が発達します。また、豊かな感情が育成されていく時期でもあるため、保護者や保育者との関わりや、安心して過ごせる環境を整えることが大切です。
(にゅうようじ)
乳児と幼児を合わせた総称。児童福祉法では、生後0日から28日未満までを「新生児」、満1歳未満までの赤ちゃんを「乳児」、満1歳から小学校就学までの子どもを「幼児」と呼び分けてます。乳児期から幼児期にかけては、心身ともに大きく変化していく時期です。この時期の保育では、それぞれの成長や個性に応じたサポートが求められます。
(にんかほいくえん)
一定の基準を満たし、自治体からの認可を受けて運営されている保育施設のこと。認可を受けるには、児童福祉法で定められた設置基準(保育士の数や施設の広さ、安全対策など)をクリアする必要があります。入園対象となるのは0〜5歳の子どもで、国や自治体から園に対して補助金が支給されます。
(にんしょうほいくえん)(にんていほいくえん)
東京都が独自に定めた基準を満たし、認証(認定)を受けて運営されている保育施設です。あくまでも自治体独自の基準に基づく認証であり、分類としては認可外保育園に含まれます。認可保育園に比べると定員や運営時間などに柔軟性があるため、特に都心部で働く保護者にとって利用しやすい選択肢の1つとなっています。
(はったつしんりがく)
人間が生まれてから死ぬまでの精神の発達や心理的な変化を研究する学問のこと。とくに子どもの成長過程では、身体的、認知的、社会的、感情的といった各側面において、多くの変化が起こります。保育士の仕事では、発達心理学の知識を活かして、子どもたち一人ひとりがその発達段階に応じた適切な支援を受けられるように、保育計画の立案・実践を目指すことが大切です。
(はったつだんかい)
子どもが成長する過程で、身体的、情緒的、知的に発達していく段階のこと。文部科学省によれば、発達段階は(1)乳幼児期(2)学童期(3)青年前期(中学校)(4)青年中期(高等学校)の4つに分類されますが、保育の現場では「乳児期(~1歳未満)」「幼児期前期(1歳~3歳)」「幼児期後期(3歳~6歳)」といった分類が用いられることも多いです。
(びょうじほいく)
風邪で発熱した場合など、健康状態が優れない子どもたちを対象に、医療機関や専門施設、保育所内の専用スペース内で保育とともに看護ケアを行うサービスのことです。預かり基準(対象となる子どもの年齢や病状など)は各施設や自治体によって異なります。子どもの病中・病後という、一般的な保育園等での集団保育が難しい場面では、病児保育が働く保護者の手助けになります。
(ほいくえん)
保育所の通称で、厚生労働省が管轄する児童福祉施設の一つです。生活面と遊びの両面から子どもを見守り、保育することを目的としています。保育園は、主に保護者の仕事や妊娠出産、入院等の事情により家庭での保育が難しい子どもを預かる施設であるため、保護者の就労状況等の入園条件が定められています。0歳〜小学校就学前までの子どもが対象となります。
(ほいくし)
厚生労働省が管轄する「保育士資格」を取得して、0〜5歳の未就学児の保育を担う人のこと。主に保育園や児童養護施設などに勤務し、保護者に代わって子どもたちの保育(見守りと安全確保、生活習慣のトレーニングなど)を行います。なお、保育士資格は児童福祉法に基づく国家資格です。
(ほいくそーしゃるわーく)
保育や子育てに関して、子どもやその家族が直面する様々な問題を解決するための相談支援のこと。ソーシャルワーク(social work)は英語で「社会福祉事業」を指す言葉であり、保育ソーシャルワークでは子どもたちが安心して成長できる環境を整えることが目標となります。家庭内での虐待やDV、経済的困窮、児童の発達に関する不安など、保育士と保護者だけでは解決が難しい問題に対応し、相談支援や訪問、自治体と連携した支援などを通して解決を図ります。
(ほうかごじどうくらぶ)
仕事などの事情により保護者が昼間家庭にいない小学生を、学校の空き教室や児童館などで預かる事業や施設のこと。目的は「児童に適切な遊びや生活の場を与えて、健全な育成を図ること」で、法律上の名称は「放課後児童健全育成事業」。他に「学童保育」「学童クラブ」等とも呼ばれます。預かるのは平日の放課後が中心ですが、土日祝日や長期休暇中に受け入れを行う施設もあります。
(ようじ)
児童福祉法における、満1歳から小学校に就学するまでの子どものこと。この時期は子どもの身体・情緒・知力が大きく成長・変化していく時期であり、保護者や保育者、他の子どもとの関わりが重要になります。成長には個人差がありますが、一般的には1〜2歳にかけて歩行能力や知的好奇心が育ち、3〜4歳にかけて体力や知力が向上していき、5歳ごろにはスポーツを楽しめるくらいの運動能力や社会性が身についていきます。
(ようちえん)
文部科学省が管轄する教育機関の一つ。分類としては「学校」にあたり、主に知育や教育的な側面の発達を促すことを目的としています。保育園と異なり、幼稚園には保護者の就労状況等の入園条件は設定されていません。このため、基本的にどの家庭でも入園の申し込みが可能です。3歳〜小学校就学前までの子どもが対象となります。
(ようちえんきょうゆ)
文部科学省が管轄する「幼稚園教諭免許」を取得して、3〜5歳の子どもたちの教育を担う人のこと。主に幼稚園などに勤務し、小学校入学に備えて基礎的な教育(カリキュラムに沿った学習や遊びなど)を行います。なお、幼稚園教諭免許は教育職員免許法に基づく教員免許です。
(ようほれんけいがたにんていこどもえん)
保育園で行われる「保育」と、幼稚園で行われる「教育」という2つの機能を兼ね備えた「認定こども園」のうち、保育園と幼稚園の両方の認可を持つ施設のこと。0歳〜小学校就学前までの子どもの保育・教育を一元化して行うことが可能です。また保育園とは異なり、保護者はその就労状況にかかわらず子どもを預けることができます。
(りずむあそび)
音楽やリズムに合わせて体を動かしたり、楽器を使って遊んだりする活動のこと。自由に身体を動かすこともあれば、体操やダンスなどの決まった動きをみんなで一緒に行うこともあります。この遊びを通して子どもたちは、リズムに乗って動く楽しさや、身体を使って表現する面白さを学び、運動能力や表現力、協調性を育みます。
(りとみっく)
スイスの音楽家ジャック・ダルクローズが考案した、音楽と運動を組み合わせた教育手法。リズムに合わせて楽しく身体を動かすことを通し、子どもたちの心身における様々な能力の発達を促す音楽教育法です。リズム感や身体能力を向上させるだけでなく、知的好奇心を刺激して情緒を発達させることにも役立つとされています。