男女ともに働くことが一般的になった今、子どもを保育施設に預けたくても預けられない「待機児童問題」が話題となっています。
待機児童を減らすためには、保育士が必要です。保育所をいくら増やしても、肝心の保育士がいなくては子どもたちを預かることはできません。
「保育士を目指している」または「一度現場を離れたけれど、保育士に復帰したい」と考える人たちにとって、これから保育士になることのメリットや将来性は非常に気になるところです。
そこで今回は、待機児童問題の現状や、国が行っている対策、そこから期待される保育士の今後のメリットや将来性について解説します。
「待機児童」とは、簡単に言うと「保育施設に入所するための条件を満たし、入所を申請しているにも関わらず、施設側の空きがないため入所できずにいる児童」のことです。
厚生労働省が発表した『平成30年10月時点の保育所等の待機児童数の状況について』によると、全国の待機児童の人数は、平成30年10月時点で47,198人。厳密な定義から外れる「潜在的な待機児童」も含めると、さらに多くの子どもたちが保育施設への入所待ちをしていると言われています。
子どもの年齢別に見てみると、待機児童で最も多いのは1歳児〜2歳児で、全体の約75%を占める数です。
また、待機児童は地方に行くにつれて少なくなる傾向にありますが、反対に都市部(首都圏、近畿圏、その他政令指定都市など)に近づくほど多くなっています。
とくに問題が深刻化しているのが、東京都です。
都の発表によれば、平成31年4月1日現在の待機児童数(東京都全体)は3,690人。「前年に比べ1,724人減」と大幅に減少してはいるものの、まだまだゼロには至っていません。
待機児童が多い理由は1つではありませんが、とくに大きな問題とされているのが「保育士の不足」です。保育士の人数は、1年間につき全国で約7万人不足していると言われています。
保育士不足の原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、新しく保育士資格を取得した人の中で、保育施設への就職を希望しない人が多いこと。
もう1つは、保育士として就職しても5年以内に辞める人が多い(離職率が高い)ことです。
しかし、これは個々の保育士(または資格取得者)が悪いわけではありません。就職を希望しない人や短期間で退職する人が多いのは、保育士を取り巻く環境によるところが大きいでしょう。
保育士は、子どもの未来を担うやりがいの大きな仕事ですが、「責任に対して収入が見合わない」「業務量が多く、忙しすぎる」といった課題も、多くの職場で指摘されています。
保育士不足を解消し、待機児童問題を解決に導くためには、国・自治体・職場などが一丸となって、こうした課題をクリアしていく必要があるでしょう。
厚生労働省では、現在3か年計画となる「子育て安心プラン」などの取り組みを強化し、保育士不足の解消と待機児童問題の解決に向けて動いています。
必要な保育士をしっかりと確保するために、国は次の4つの柱を掲げて施策に取り組んでいます。
簡単に言うと、「保育士またはそれに近い仕事ができる人を増やし、長く働けるように助成金などの支援をし、一度現場を離れた人も復帰しやすいシステムを作り、働きやすいよう環境を改善していく」という主旨です。
具体的には、次のような施策をすでに実施・検討しています。
また、平成27年1月よりスタートした「保育士確保プラン」では、
などを実施し、保育人材を増やして現役保育士の負担を減らす取り組みも行っています。
試行錯誤しながらではあるものの、これらの施策は徐々に効果を見せ始めています。
2020(令和2)年度末までには、約29.7万人分の子どもたちの「保育の受け皿(保育所などの施設)」を確保し、政府目標の32万人に近づけることに成功しました。
保育人材が増えれば、保育士ひとりひとりの負担は減っていきます。「多忙すぎる業務に耐えられなくなって辞めた」という保育士も、今後人材が増えることにより、復帰しやすくなる可能性はあります。
また、もうひとつの大きな課題である「収入」についても、明るい側面が見えてきています。というのも、需要が大きい保育分野は、民間企業からの新規参入が増えつつあるのです。
正社員、派遣社員、パート......さまざまな働き方がありますが、多様な企業が参入し業界内での健全な競争が促進されれば、給与や福利厚生などの待遇改善も見込めるでしょう。
保育士資格を持っている人の就職先として、保育所以外の選択肢も増えています。
企業内託児所、レジャー施設やデパートの託児ルーム、ベビーシッターなど。それぞれ求人は常にあり、自分のライフスタイルに合った働き方を選択しやすくなっています。
人手不足というのは、働く側にとっては「チャンスが広がる」ということでもあります。もちろん、やりがいはとても大きな仕事です。
「子どもが好き」「子どもに関わる仕事がしたい」という人は、東京YMCA社会体育・保育専門学校で、一緒に保育士を目指してみませんか?
男女ともに働くことが一般的になった今、子どもを保育施設に預けたくても預けられない「待機児童問題」が話題となっています。
待機児童を減らすためには、保育士が必要です。保育所をいくら増やしても、肝心の保育士がいなくては子どもたちを預かることはできません。
「保育士を目指している」または「一度現場を離れたけれど、保育士に復帰したい」と考える人たちにとって、これから保育士になることのメリットや将来性は非常に気になるところです。
そこで今回は、待機児童問題の現状や、国が行っている対策、そこから期待される保育士の今後のメリットや将来性について解説します。
「待機児童」とは、簡単に言うと「保育施設に入所するための条件を満たし、入所を申請しているにも関わらず、施設側の空きがないため入所できずにいる児童」のことです。
厚生労働省が発表した『平成30年10月時点の保育所等の待機児童数の状況について』によると、全国の待機児童の人数は、平成30年10月時点で47,198人。厳密な定義から外れる「潜在的な待機児童」も含めると、さらに多くの子どもたちが保育施設への入所待ちをしていると言われています。
子どもの年齢別に見てみると、待機児童で最も多いのは1歳児〜2歳児で、全体の約75%を占める数です。
また、待機児童は地方に行くにつれて少なくなる傾向にありますが、反対に都市部(首都圏、近畿圏、その他政令指定都市など)に近づくほど多くなっています。
とくに問題が深刻化しているのが、東京都です。
都の発表によれば、平成31年4月1日現在の待機児童数(東京都全体)は3,690人。「前年に比べ1,724人減」と大幅に減少してはいるものの、まだまだゼロには至っていません。
待機児童が多い理由は1つではありませんが、とくに大きな問題とされているのが「保育士の不足」です。保育士の人数は、1年間につき全国で約7万人不足していると言われています。
保育士不足の原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、新しく保育士資格を取得した人の中で、保育施設への就職を希望しない人が多いこと。
もう1つは、保育士として就職しても5年以内に辞める人が多い(離職率が高い)ことです。
しかし、これは個々の保育士(または資格取得者)が悪いわけではありません。就職を希望しない人や短期間で退職する人が多いのは、保育士を取り巻く環境によるところが大きいでしょう。
保育士は、子どもの未来を担うやりがいの大きな仕事ですが、「責任に対して収入が見合わない」「業務量が多く、忙しすぎる」といった課題も、多くの職場で指摘されています。
保育士不足を解消し、待機児童問題を解決に導くためには、国・自治体・職場などが一丸となって、こうした課題をクリアしていく必要があるでしょう。
厚生労働省では、現在3か年計画となる「子育て安心プラン」などの取り組みを強化し、保育士不足の解消と待機児童問題の解決に向けて動いています。
必要な保育士をしっかりと確保するために、国は次の4つの柱を掲げて施策に取り組んでいます。
簡単に言うと、「保育士またはそれに近い仕事ができる人を増やし、長く働けるように助成金などの支援をし、一度現場を離れた人も復帰しやすいシステムを作り、働きやすいよう環境を改善していく」という主旨です。
具体的には、次のような施策をすでに実施・検討しています。
また、平成27年1月よりスタートした「保育士確保プラン」では、
などを実施し、保育人材を増やして現役保育士の負担を減らす取り組みも行っています。
試行錯誤しながらではあるものの、これらの施策は徐々に効果を見せ始めています。
2020(令和2)年度末までには、約29.7万人分の子どもたちの「保育の受け皿(保育所などの施設)」を確保し、政府目標の32万人に近づけることに成功しました。
保育人材が増えれば、保育士ひとりひとりの負担は減っていきます。「多忙すぎる業務に耐えられなくなって辞めた」という保育士も、今後人材が増えることにより、復帰しやすくなる可能性はあります。
また、もうひとつの大きな課題である「収入」についても、明るい側面が見えてきています。というのも、需要が大きい保育分野は、民間企業からの新規参入が増えつつあるのです。
正社員、派遣社員、パート......さまざまな働き方がありますが、多様な企業が参入し業界内での健全な競争が促進されれば、給与や福利厚生などの待遇改善も見込めるでしょう。
保育士資格を持っている人の就職先として、保育所以外の選択肢も増えています。
企業内託児所、レジャー施設やデパートの託児ルーム、ベビーシッターなど。それぞれ求人は常にあり、自分のライフスタイルに合った働き方を選択しやすくなっています。
人手不足というのは、働く側にとっては「チャンスが広がる」ということでもあります。もちろん、やりがいはとても大きな仕事です。
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