今、保育の現場に不可欠の仕事として存在感を放っている「フリー保育士」。しかし、フリー保育士という言葉は、一般の人にとってはあまり聞き慣れないかもしれません。
今回は、保育園を支える屋台骨とも言える「フリー保育士」について、仕事内容や、働く上でのメリット・デメリット、求められるスキルなどを分かりやすく紹介します。
フリー保育士とは、担任のクラスを持たず、園全体のために動くオールラウンダーとして、各クラスのサポートを行う保育士のことです。
フリー保育士は、各クラスの担任保育士と連携を取り合いながら、さまざまな業務をこなします。また、園全体の運営に関わる仕事(たとえば行事の進行や、掃除・洗濯・消毒作業など)も同時に行います。
フリー保育士の具体的な業務内容は、保育園によって異なりますが、主に次のようなものです。
◆クラス担任のサポート
基本的には、クラス担任の保育業務がスムーズに運ぶよう手助けするのがフリー保育士の仕事です。担任が休みをとる日には、代行でクラスを担当することもあります。
また、保育園全体の運営に関わる業務として、次のようなことも行います。
◆保育園の運営に関わる業務
このように、園全体がスムーズに回るよう、オールマイティに業務をこなしていくのがフリー保育士という存在です。忙しい担任保育士、また保育園全体にとって、頼りがいのある縁の下の力持ちと言えるでしょう。
フリー保育士をどんな人に任せるかは園によって異なりますが、一般的には新人の保育士が任されることが多いです。これは、担任クラスを持つ前に園全体の流れを把握してもらうためで、新人保育士本人にとっても有益な経験になり得ます。
一方で、園によっては経験豊富なベテラン保育士をフリー保育士に任命することもあります。これはベテランの持つ経験と知識を活かして、よりよい保育環境を整えるためです。
とくに新人の保育士がクラス担任になる場合、ベテランのフリー保育士がサポートにつくことで、スムーズに業務が回るケースが多く見られます。
担当クラスを持たないフリー保育士には、その立場でしか得られない大きなメリットがあります。
保育のポイントやコツといったものは保育士によって異なり、また、園児の年齢によっても変わってきます。フリー保育士の立場では、さまざまなクラスの担任の様子を間近で見ることができ、先生ごとに異なる保育スタイルを学ぶことが可能です。
また、園全体の仕事の流れを俯瞰的に見る力も身につきます。こうした経験はすべて、自分が担任クラスを持ったときに活きてくるでしょう。
保育士が残業や持ち帰りで行う仕事の多くは、書類作成です。たとえば、指導計画や日報・週報の作成、連絡帳や保育日誌の記入などですが、これらは基本的に担任保育士の仕事となります。
フリー保育士は、こうした書類仕事を持ち帰ることがほぼありません。また、運動会など行事の直前を除けば残業もほとんどなく、定時で帰れるためライフ・ワーク・バランスをとりやすくなります。
担任クラスを持つ保育士は、自分の受け持つ子どもたちとは深く関わっていきますが、他のクラスの子どもたちとはあまり接点がありません。しかしフリー保育士は、園全体の子どもたちとまんべんなく関わることができます。
子どもの年齢ごとに異なる特徴や、発育の流れに触れて、理解を深めることができます。また、中立的な立場で子どもたちと保護者に関われることから、保護者との信頼関係を築きやすい面もあります。
さまざまなメリットがあるフリー保育士ですが、やはりデメリットや悩みもあります。フリー保育士が抱えがちな悩みは、次のようなものです。
◆フリー保育士に多い悩み
担任を持つ保育士なら、クラスの子どもたちと長く深く関われますが、フリー保育士は園全体の子どもたちと広く浅く関わるケースが多いです。そのため、進級や卒園といった節目の感動を味わいづらかったり、保育そのものにかける時間が少なくなったりすることに不満を感じる場合もあります。
また、フリー保育士の仕事は他の保育士たちとのチームワークが大切になりますが、保育方針の違いや性格の相性から、連携がうまくいかずに悩むこともあるでしょう。
さらに、忙しく園内を行き来してハードな業務をこなしているにも関わらず、ときには「楽そうな仕事」と誤解されるなど、納得のいかない経験をするフリー保育士も多いようです。
しかし、前述のとおり、フリー保育士にはさまざまなメリットもあります。自分の働き次第では、園内の誰からも認められる「オールラウンダー」として重宝されることでしょう。
フリー保育士は、「自分の仕事が子どもたちや園全体の役に立っている」という事実をしっかり実感できれば、非常にやりがいの大きな仕事になります。
フリー保育士に求められるスキルは、次のようなものです。
クラスにいるときはクラス全体を、そうでないときは園全体を見渡して、サポートが必要な部分や人手が少ない場所を見極める、視野の広さが重要です。
いつも人に言われてから動くのではなく、自分から「こうしたらもっと相手が楽になるのでは?」と考え、行動する主体性が必要です。
主体性があったとしても、他の保育士に確認もせず勝手な行動をするのでは、サポートにはなりません。担任保育士がしてほしいことを考えるだけでなく、「こうしたら良いのではと思いますが、どうですか?」と提案・相談できる気配り力が必要です。
担任保育士が何をしてほしいのかを見極めるには、クラスの様子をよく観察する必要があります。また、担任保育士に比べ、一歩引いた場所から観察しているフリー保育士だからこそ、子どもたちの異変や体調不良などに気づけることもあるでしょう。
他の保育士と連携をとる機会が多いだけでなく、多くの保護者と接する機会も多いのが、フリー保育士の仕事です。「他の保育士ときちんと相談し合える」「保護者と和やかに接することができる」といったコミュニケーション力が求められます。
*
フリー保育士は、子どもたちのためにより良い環境を作っていく、保育のオールラウンダーです。自分の将来のためにも、この仕事でしか積めない経験をたくさん積んでいきましょう!
今、保育の現場に不可欠の仕事として存在感を放っている「フリー保育士」。しかし、フリー保育士という言葉は、一般の人にとってはあまり聞き慣れないかもしれません。
今回は、保育園を支える屋台骨とも言える「フリー保育士」について、仕事内容や、働く上でのメリット・デメリット、求められるスキルなどを分かりやすく紹介します。
フリー保育士とは、担任のクラスを持たず、園全体のために動くオールラウンダーとして、各クラスのサポートを行う保育士のことです。
フリー保育士は、各クラスの担任保育士と連携を取り合いながら、さまざまな業務をこなします。また、園全体の運営に関わる仕事(たとえば行事の進行や、掃除・洗濯・消毒作業など)も同時に行います。
フリー保育士の具体的な業務内容は、保育園によって異なりますが、主に次のようなものです。
◆クラス担任のサポート
基本的には、クラス担任の保育業務がスムーズに運ぶよう手助けするのがフリー保育士の仕事です。担任が休みをとる日には、代行でクラスを担当することもあります。
また、保育園全体の運営に関わる業務として、次のようなことも行います。
◆保育園の運営に関わる業務
このように、園全体がスムーズに回るよう、オールマイティに業務をこなしていくのがフリー保育士という存在です。忙しい担任保育士、また保育園全体にとって、頼りがいのある縁の下の力持ちと言えるでしょう。
フリー保育士をどんな人に任せるかは園によって異なりますが、一般的には新人の保育士が任されることが多いです。これは、担任クラスを持つ前に園全体の流れを把握してもらうためで、新人保育士本人にとっても有益な経験になり得ます。
一方で、園によっては経験豊富なベテラン保育士をフリー保育士に任命することもあります。これはベテランの持つ経験と知識を活かして、よりよい保育環境を整えるためです。
とくに新人の保育士がクラス担任になる場合、ベテランのフリー保育士がサポートにつくことで、スムーズに業務が回るケースが多く見られます。
担当クラスを持たないフリー保育士には、その立場でしか得られない大きなメリットがあります。
保育のポイントやコツといったものは保育士によって異なり、また、園児の年齢によっても変わってきます。フリー保育士の立場では、さまざまなクラスの担任の様子を間近で見ることができ、先生ごとに異なる保育スタイルを学ぶことが可能です。
また、園全体の仕事の流れを俯瞰的に見る力も身につきます。こうした経験はすべて、自分が担任クラスを持ったときに活きてくるでしょう。
保育士が残業や持ち帰りで行う仕事の多くは、書類作成です。たとえば、指導計画や日報・週報の作成、連絡帳や保育日誌の記入などですが、これらは基本的に担任保育士の仕事となります。
フリー保育士は、こうした書類仕事を持ち帰ることがほぼありません。また、運動会など行事の直前を除けば残業もほとんどなく、定時で帰れるためライフ・ワーク・バランスをとりやすくなります。
担任クラスを持つ保育士は、自分の受け持つ子どもたちとは深く関わっていきますが、他のクラスの子どもたちとはあまり接点がありません。しかしフリー保育士は、園全体の子どもたちとまんべんなく関わることができます。
子どもの年齢ごとに異なる特徴や、発育の流れに触れて、理解を深めることができます。また、中立的な立場で子どもたちと保護者に関われることから、保護者との信頼関係を築きやすい面もあります。
さまざまなメリットがあるフリー保育士ですが、やはりデメリットや悩みもあります。フリー保育士が抱えがちな悩みは、次のようなものです。
◆フリー保育士に多い悩み
担任を持つ保育士なら、クラスの子どもたちと長く深く関われますが、フリー保育士は園全体の子どもたちと広く浅く関わるケースが多いです。そのため、進級や卒園といった節目の感動を味わいづらかったり、保育そのものにかける時間が少なくなったりすることに不満を感じる場合もあります。
また、フリー保育士の仕事は他の保育士たちとのチームワークが大切になりますが、保育方針の違いや性格の相性から、連携がうまくいかずに悩むこともあるでしょう。
さらに、忙しく園内を行き来してハードな業務をこなしているにも関わらず、ときには「楽そうな仕事」と誤解されるなど、納得のいかない経験をするフリー保育士も多いようです。
しかし、前述のとおり、フリー保育士にはさまざまなメリットもあります。自分の働き次第では、園内の誰からも認められる「オールラウンダー」として重宝されることでしょう。
フリー保育士は、「自分の仕事が子どもたちや園全体の役に立っている」という事実をしっかり実感できれば、非常にやりがいの大きな仕事になります。
フリー保育士に求められるスキルは、次のようなものです。
クラスにいるときはクラス全体を、そうでないときは園全体を見渡して、サポートが必要な部分や人手が少ない場所を見極める、視野の広さが重要です。
いつも人に言われてから動くのではなく、自分から「こうしたらもっと相手が楽になるのでは?」と考え、行動する主体性が必要です。
主体性があったとしても、他の保育士に確認もせず勝手な行動をするのでは、サポートにはなりません。担任保育士がしてほしいことを考えるだけでなく、「こうしたら良いのではと思いますが、どうですか?」と提案・相談できる気配り力が必要です。
担任保育士が何をしてほしいのかを見極めるには、クラスの様子をよく観察する必要があります。また、担任保育士に比べ、一歩引いた場所から観察しているフリー保育士だからこそ、子どもたちの異変や体調不良などに気づけることもあるでしょう。
他の保育士と連携をとる機会が多いだけでなく、多くの保護者と接する機会も多いのが、フリー保育士の仕事です。「他の保育士ときちんと相談し合える」「保護者と和やかに接することができる」といったコミュニケーション力が求められます。
*
フリー保育士は、子どもたちのためにより良い環境を作っていく、保育のオールラウンダーです。自分の将来のためにも、この仕事でしか積めない経験をたくさん積んでいきましょう!