日本でも世界でも、多くの人に愛される、ヨガ。その中でも今、高温多湿の室内で行う「ホットヨガ」のニーズが高まっています。
ホットヨガは、ヨガの一形態として近年急激に発展、浸透してきました。そのため、通常のヨガに比べまだまだインストラクターの数が少なく、仕事としての需要も高い分野になっています。
ホットヨガのインストラクターを目指すには、どうしたら良いのでしょうか?
通常のヨガとの違いや、ホットヨガインストラクターに求められるスキルや資格について、分かりやすく紹介します。
ヨガ発祥の地といえばインドですが、ホットヨガは、じつは日本の東京で生まれました。
1970年代、東京のヨガ教室の講師であったインド出身のビクラム・チョードリー氏が、ある冬の日に、寒さをしのぐためストーブなどの暖房器具を集め、インドの気候を再現した状態でヨガを行ったことが始まりであると言われています。
ホットヨガに明確な定義はありませんが、多くの場合、室温35〜40℃、湿度50〜65%程度に保たれた状態で行われます。座っているだけで汗が滲んでくるような蒸し暑い状態で行うことにより、発汗と血行を促進し、爽快感やデトックス効果を高めます。
日本で生まれたホットヨガですが、その後ハリウッドセレブを中心に大流行し、今では世界中の老若男女、さまざまな人に親しまれています。
常温で行うヨガ(以下「常温ヨガ」と呼びます)に比べ、ホットヨガには次のような特徴が見られます。
蒸し暑い環境で行われるホットヨガは、大量の汗をかくエクササイズです。発汗によるデトックス効果はもちろん、基礎代謝のアップや、むくみの解消、老廃物の排出による美肌効果などが期待できます。
ただし、短時間に大量の水分を失うため、脱水症状に要注意。ホットヨガを行う際は、常温ヨガよりもさらにこまめな水分補給を心がける必要があります。
大量に汗をかくことで、ホットヨガを行った後は、すっきりとした爽快感を味わうことができます。この効果は、体だけでなく、心のストレス解消にも繋がりやすいと言われています。
ホットヨガでは自然と体温が上がるため、血行が促進されて筋肉がほぐれ、体を柔らかく動かしやすくなります。「通常のヨガではなかなかできなかったアーサナ(ポーズ)が、ホットヨガではできた」という人も少なくありません。
ただ、動かしやすいからと言って無理をしすぎてしまうと、筋肉や関節を傷める原因にもなります。あくまでも自分の心地よい範囲で行うことが大切です。
ヨガのアーサナの中には、蒸し暑い環境で行うことにあまり適さないものもあります。
たとえば、常温ヨガでは休息に用いられる「チャイルドポーズ」。これは、床に突っ伏した状態になるため、顔周りに熱がこもり、ホットヨガで行うと体調を崩してしまうリスクがあります。そのため、ホットヨガ中の休息は、仰向けになる別のアーサナが用いられます。
このように、ホットヨガでは実践するアーサナにやや注意が必要です。
ホットヨガインストラクターになるには、まずは、ホットヨガを取り入れているスポーツジムや専用スタジオに就職するのが一般的です。
ホットヨガが可能な設備が揃っているのは、多くの場合、大手のジムやヨガスタジオです。これらの職場は競争率も自然と上がりますので、まず資格を取得してから就職を目指す人も少なくありません。
比較的新しい分野にあたるホットヨガでは、未経験OKの求人が出ることも多く、資格を取得していれば、実務経験がなくても採用される可能性は大きくなります。
スタジオやジムで受付や清掃といった雑用もこなしつつ、インストラクターとしての実力をつけていくことで、将来的にはフリーランスとして独立する道もひらけてくるでしょう。
ホットヨガインストラクターには、定められた資格や免許はありません。スキルがあれば誰でもインストラクターとして活躍できます。
ただし、就職に有利になる資格はいくつかあります。とくにおすすめなのが、次の2種類です。
世界的な資格では、全米ヨガアライアンスが発行している「RYT200」や「RYT500」がおすすめです。常温ヨガの業界でも人気のこの資格は、ホットヨガインストラクターの仕事にもおおいに役立ちます。
「RYT200」の取得には、200時間のレッスン受講が必要です(「RYT500」の場合は500時間となります)。時間はかかりますが、基本のアーサナから指導方法まで、幅広い知識をバランス良く学ぶことができます。
日本国内の民間資格では、日本ヨガインストラクター協会の認定資格がおすすめです。主な資格は、3級(マスターコース)、2級(アドバンスコース)、1級(シニアコース)の3段階に分かれています。
もし、将来的にフリーランスのインストラクターとして活躍したいのであれば、2級以上の取得を目指すのが良いでしょう。
では、ホットヨガインストラクターに向いているのは、どんな人なのでしょうか? 主な特徴を見てみましょう。
まず肝心なのは、ホットヨガに体質が合っているかどうか、という点です。高温多湿の環境下で行うため、人によっては、髪の毛が傷みやすくなったり、汗による肌トラブルが起きやすくなったりします。
まずはホットヨガのレッスンを実際に自分で受けてみて、「快適にできるかどうか」「疲労よりも爽快感をメインに感じることができるかどうか」を判断する必要があります。
ホットヨガやヨガのインストラクターの多くが、「体も心も美しく、健康になるお手伝いがしたい」という思いを持って働いています。
教わる人の心身を「癒やしたい」「より良くしたい」と思う気持ちは伝わりますし、そうしたレッスンを行う講師にはファンもつきやすくなります。
ホットヨガは、常温ヨガよりも体に負担がかかるエクササイズです。人に教える立場となれば、その負担もより大きくなります。
ホットヨガインストラクターは、多くの場合、45〜60分程度のレッスンを1日に2〜3本以上行います。充分な体力を持っている人でないと、続けていくのは難しい職業と言えるでしょう。
スポーツの世界は日進月歩。ホットヨガの技術やトレンドも、少しずつ変化し続けています。また、講師として説得力のあるレッスンを行うためには、日々体を鍛え、コツコツと練習を積むことも必要です。
大好きなホットヨガを万全の体調で続けるためにも、新しい技術を取り入れるためにも、向上心を持って仕事に取り組める人が、ホットヨガインストラクターに向いています。
*
ホットヨガが好きで、心身ともに「自分に合っている」と感じる人は、ホットヨガインストラクターにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
▼スポーツに関わる仕事を目指すなら、こちらの記事もオススメです▼
日本でも世界でも、多くの人に愛される、ヨガ。その中でも今、高温多湿の室内で行う「ホットヨガ」のニーズが高まっています。
ホットヨガは、ヨガの一形態として近年急激に発展、浸透してきました。そのため、通常のヨガに比べまだまだインストラクターの数が少なく、仕事としての需要も高い分野になっています。
ホットヨガのインストラクターを目指すには、どうしたら良いのでしょうか?
通常のヨガとの違いや、ホットヨガインストラクターに求められるスキルや資格について、分かりやすく紹介します。
ヨガ発祥の地といえばインドですが、ホットヨガは、じつは日本の東京で生まれました。
1970年代、東京のヨガ教室の講師であったインド出身のビクラム・チョードリー氏が、ある冬の日に、寒さをしのぐためストーブなどの暖房器具を集め、インドの気候を再現した状態でヨガを行ったことが始まりであると言われています。
ホットヨガに明確な定義はありませんが、多くの場合、室温35〜40℃、湿度50〜65%程度に保たれた状態で行われます。座っているだけで汗が滲んでくるような蒸し暑い状態で行うことにより、発汗と血行を促進し、爽快感やデトックス効果を高めます。
日本で生まれたホットヨガですが、その後ハリウッドセレブを中心に大流行し、今では世界中の老若男女、さまざまな人に親しまれています。
常温で行うヨガ(以下「常温ヨガ」と呼びます)に比べ、ホットヨガには次のような特徴が見られます。
蒸し暑い環境で行われるホットヨガは、大量の汗をかくエクササイズです。発汗によるデトックス効果はもちろん、基礎代謝のアップや、むくみの解消、老廃物の排出による美肌効果などが期待できます。
ただし、短時間に大量の水分を失うため、脱水症状に要注意。ホットヨガを行う際は、常温ヨガよりもさらにこまめな水分補給を心がける必要があります。
大量に汗をかくことで、ホットヨガを行った後は、すっきりとした爽快感を味わうことができます。この効果は、体だけでなく、心のストレス解消にも繋がりやすいと言われています。
ホットヨガでは自然と体温が上がるため、血行が促進されて筋肉がほぐれ、体を柔らかく動かしやすくなります。「通常のヨガではなかなかできなかったアーサナ(ポーズ)が、ホットヨガではできた」という人も少なくありません。
ただ、動かしやすいからと言って無理をしすぎてしまうと、筋肉や関節を傷める原因にもなります。あくまでも自分の心地よい範囲で行うことが大切です。
ヨガのアーサナの中には、蒸し暑い環境で行うことにあまり適さないものもあります。
たとえば、常温ヨガでは休息に用いられる「チャイルドポーズ」。これは、床に突っ伏した状態になるため、顔周りに熱がこもり、ホットヨガで行うと体調を崩してしまうリスクがあります。そのため、ホットヨガ中の休息は、仰向けになる別のアーサナが用いられます。
このように、ホットヨガでは実践するアーサナにやや注意が必要です。
ホットヨガインストラクターになるには、まずは、ホットヨガを取り入れているスポーツジムや専用スタジオに就職するのが一般的です。
ホットヨガが可能な設備が揃っているのは、多くの場合、大手のジムやヨガスタジオです。これらの職場は競争率も自然と上がりますので、まず資格を取得してから就職を目指す人も少なくありません。
比較的新しい分野にあたるホットヨガでは、未経験OKの求人が出ることも多く、資格を取得していれば、実務経験がなくても採用される可能性は大きくなります。
スタジオやジムで受付や清掃といった雑用もこなしつつ、インストラクターとしての実力をつけていくことで、将来的にはフリーランスとして独立する道もひらけてくるでしょう。
ホットヨガインストラクターには、定められた資格や免許はありません。スキルがあれば誰でもインストラクターとして活躍できます。
ただし、就職に有利になる資格はいくつかあります。とくにおすすめなのが、次の2種類です。
世界的な資格では、全米ヨガアライアンスが発行している「RYT200」や「RYT500」がおすすめです。常温ヨガの業界でも人気のこの資格は、ホットヨガインストラクターの仕事にもおおいに役立ちます。
「RYT200」の取得には、200時間のレッスン受講が必要です(「RYT500」の場合は500時間となります)。時間はかかりますが、基本のアーサナから指導方法まで、幅広い知識をバランス良く学ぶことができます。
日本国内の民間資格では、日本ヨガインストラクター協会の認定資格がおすすめです。主な資格は、3級(マスターコース)、2級(アドバンスコース)、1級(シニアコース)の3段階に分かれています。
もし、将来的にフリーランスのインストラクターとして活躍したいのであれば、2級以上の取得を目指すのが良いでしょう。
では、ホットヨガインストラクターに向いているのは、どんな人なのでしょうか? 主な特徴を見てみましょう。
まず肝心なのは、ホットヨガに体質が合っているかどうか、という点です。高温多湿の環境下で行うため、人によっては、髪の毛が傷みやすくなったり、汗による肌トラブルが起きやすくなったりします。
まずはホットヨガのレッスンを実際に自分で受けてみて、「快適にできるかどうか」「疲労よりも爽快感をメインに感じることができるかどうか」を判断する必要があります。
ホットヨガやヨガのインストラクターの多くが、「体も心も美しく、健康になるお手伝いがしたい」という思いを持って働いています。
教わる人の心身を「癒やしたい」「より良くしたい」と思う気持ちは伝わりますし、そうしたレッスンを行う講師にはファンもつきやすくなります。
ホットヨガは、常温ヨガよりも体に負担がかかるエクササイズです。人に教える立場となれば、その負担もより大きくなります。
ホットヨガインストラクターは、多くの場合、45〜60分程度のレッスンを1日に2〜3本以上行います。充分な体力を持っている人でないと、続けていくのは難しい職業と言えるでしょう。
スポーツの世界は日進月歩。ホットヨガの技術やトレンドも、少しずつ変化し続けています。また、講師として説得力のあるレッスンを行うためには、日々体を鍛え、コツコツと練習を積むことも必要です。
大好きなホットヨガを万全の体調で続けるためにも、新しい技術を取り入れるためにも、向上心を持って仕事に取り組める人が、ホットヨガインストラクターに向いています。
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ホットヨガが好きで、心身ともに「自分に合っている」と感じる人は、ホットヨガインストラクターにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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