スポーツを安全に行うためには、トレーニングによって生じる負荷の調整や、充分な休息が欠かせません。これらを意識せずに無理なトレーニングを行うと、「オーバートレーニング症候群」という状態に陥ってしまい、競技成績が落ちたり、心身の健康に支障をきたしたりすることがあります。
スポーツを行う人やそれを支えるトレーナーは、この仕組みを理解し、対策を知っておくことが大切です。今回は、オーバートレーニング症候群の症状や原因、予防法について分かりやすく解説します。
「オーバートレーニング症候群」とは、過度なトレーニングによって身体が回復できず、パフォーマンスの低下や健康問題を引き起こす状態を指します。この状態に陥ると、頑張ってトレーニングをしてもその効果が逆に落ちてしまう上、日常生活にも影響をきたす恐れがあります。
オーバートレーニング症候群は、過剰な運動の繰り返しや休息不足などにより、トレーニングと身体の回復のバランスが崩れることによって起こります。たとえば、短期間で高い目標を達成しようと過剰に高負荷・高頻度のトレーニングを行ったり、怪我や病気から復帰する過程で無理なトレーニングを行ったりすると、身体にかかる負荷と回復とのバランスが崩れ、オーバートレーニング症候群になることがあります。
適切なトレーニングは身体機能を向上させますが、これは筋肉が回復する際に強化される「超回復」という働きによるものです。充分な休息や栄養補給を伴わないトレーニングは、回復を阻害し、疲労の蓄積により心身の不調を招く原因となります。
なお、急な激しい運動による疲労感(オーバーワークの状態)は、オーバートレーニング症候群とは異なります。一時的な負荷による疲労感ではなく、蓄積された疲労による慢性的な症状がオーバートレーニング症候群の特徴です。
オーバートレーニング症候群の症状としてよく見られるのは、次のようなものです。
オーバートレーニング症候群の初期段階では、これらの症状は比較的軽く、自覚しにくいことがあります。たとえば、「最近なんとなく疲れやすい」「記録が伸びなくなった」といった感覚はあるものの、日常生活には支障をきたさないような状態です。
しかし状態が進行するにつれ、トレーニングにも日常生活にも、心身の不調が現れます。中程度の段階で「負荷の軽い運動でも疲れてしまう」「身体が思うように動かない」等と感じるようになり、さらに重症化すると「準備運動としてのジョギングもつらい」「気分が落ち込む、眠れない、食欲が湧かない」といった症状も現れ始め、日常生活にも支障が出てしまいます。
これらの症状は当然、パフォーマンスにも直接影響を及ぼし、トレーニングの効果を下げる原因にもなります。
オーバートレーニング症候群の主な原因は、過剰な頻度や強度でトレーニングを行うことや、適切な休息・栄養補給が欠如した状態でトレーニングを続けることです。誰にでも起こり得る症状ですが、とくにまじめな人や練習熱心な人ほど、この傾向に陥りやすいため、細心の注意を払う必要があります。
影響を最小限に抑えるためには、早期発見が大切です。トレーニング期間中は身体の変化をよく観察し、「疲労の回復が遅い」「筋肉痛が長引く」といった兆候が現れたら、適度な休息が取れているか確認しましょう。また精神的なサインとして、モチベーションの低下や集中力の欠如も重要な兆候となります。
とは言え、上記のような症状は、病気など別の要因によって引き起こされることもあります。その症状がオーバートレーニング症候群によるものかどうかを見極めるためには、医師による診断が必要です。自己診断では誤った判断を招く可能性があるため、疑わしい場合は必ず、スポーツドクターなど専門家の意見を仰ぎましょう。
オーバートレーニング症候群を予防するポイントは、次の3つです。
トレーニングの強度と頻度は、無理をしすぎない範囲を意識し、適切に調整しましょう。体調や運動能力は、一人ひとり異なります。自身に合った適度なプログラムを実践することが、オーバートレーニング症候群を防ぐ最初のカギです。
心身の健康を守るためにも、またトレーニングの効果を発揮するためにも、休息は不可欠となります。トレーニングと休息(回復)は、必ずセットで考えるようにしましょう。また、トレーニング中の休憩はもちろん、質が高い睡眠を充分にとることも、回復にとって重要なポイントです。
身体の回復には、栄養バランスの良い食事も大切です。とくに、筋肉の修復に必要な良質なタンパク質やアミノ酸、疲労回復を促進させるビタミンB群やビタミンC、といった栄養素は不可欠です。
これらを実践することで、初めて安全なトレーニングを実践できます。競技スポーツの選手も、そうでない人も、トレーニング・休養・栄養の3つのバランスを意識し、心身の健康を守っていきましょう。
子どもたちの成長を支え、その笑顔を見守る保育士。この仕事に必須の保育士資格は、「保育園で働くこと」だけに留まらず、さまざまな仕事への就職・転職やキャリアの形成に役立ちます。今回は、保育士の仕事を活かせる多彩な職場や仕事について、分かりやすく紹介します。
保育士は、子どもの心身の発達をサポートするとともに、保護者の子育てを支援する専門職です。保育士の仕事に就くためには、国家資格である「保育士資格」を取得する必要があります。
保育士資格を取得する方法は、大きく分けて2つです。1つは、厚生労働大臣指定の「指定保育士養成施設」(専門の課程を設けている専門学校や大学など)で学習・実習を行い、卒業をする方法。もう1つは、実務経験などの受験資格を満たした上で、年2回実施される保育士試験を受験して合格する方法です。
いずれにせよ、取得した保育士資格は、子どもの発育や保育に関する専門知識を有し、健全な成長を促進するための能力を身につけていることの証になります。
保育士資格を取得することで、就職や転職時に多くの職場で優遇される可能性が高まります。とくに、子どもに関わる仕事を希望する場合、この資格は強力な味方になります。
また、子どもに関する専門知識を体系的に身につけることができるため、就職後の実務面でも大いに役立つ資格と言えるでしょう。
こうした知識が身についている保育士資格の取得者は、保育園はもちろん、さまざまな職場・職種で活躍できます。
具体的には、どんな職場や職種で活かすことができるのでしょうか? 保育士資格を活かせるさまざまな仕事を紹介していきましょう。
保育園(保育所)は、厚生労働省が管轄する児童福祉施設で、0歳から小学校入学前の子どもたちを預かり、保育を行うための場所です。主に、日々の生活や基本的な生活習慣、社会性を育みます。保育士資格の取得者にとって代表的な職場であり、子ども一人ひとりの発達段階に合わせた適切な保育や、保護者とのコミュニケーションなど、子どもたちの健全な育成に不可欠な役割を果たします。
認定こども園は、保育所と幼稚園の両方の機能を備えた施設で、子どもの発達に合わせた教育と保育を総合的に提供します。(幼稚園は、文部科学省が管轄する教育機関の一つで、主に知育や教育的な側面の発達を目的として、3歳から小学校入学前の子どもたちを対象に遊びを通した教育や生活習慣の指導を行います。)
幼稚園の先生になるためには幼稚園教諭という資格が必要ですが、一部の認定こども園は保育士資格のみでも勤務が可能です。
ベビーシッターは、依頼主が指定した場所(保護者の自宅など)で、保護者の不在時に子どもの世話をする仕事です。多くの場合、家庭での一対一(または少人数)の保育を行い、子どもの日常生活のサポートや遊びを提供します。保育士資格は、ベビーシッターとしての信頼性を高め、保護者に安心感を与えます。また、子どもの安全管理や心理的なニーズの理解など、専門的な知識とスキルを活かせます。
ベビーホテルとは、認可外保育施設のうち「午後8時以降の保育」「宿泊を伴う保育」「一時預かりの子どもが利用児童の半数以上を占めている保育施設」のいずれかの条件を満たす施設のことです。主に夜間や緊急時など、一時的な保育ニーズに対応します。保育士資格を持つスタッフは、子どもの安全と快適さを保ちながら保育を提供するために、自身の知識を活かすことができます。とくに夜間や不規則な時間帯の保育では、保育士の経験と知識が重要となるはずです。
保育ママ(家庭的保育事業者)とは、保育士の自宅やマンションの一室などを利用して、ごく少人数の子どもを預かる仕事です。小規模であるため、子ども一人ひとりに寄り添い、個別のニーズに応じた保育を提供することが可能になります。
児童福祉施設とは、何らかの理由により家庭での養育が難しい子どもたちを中心に、保育、保護、養護を行う施設です(正確には、保育園も児童福祉施設に含まれます)。保育士資格を持つ職員は、各施設のニーズに合わせて、子どもたちの日常生活の支援、心理的なケア、教育プログラムの提供などを行います。
児童福祉施設について詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
子育て支援センターは、地域の家庭や子どもたちへのサポートを目的とした施設です。実施している自治体によって、「子育て広場」「子育て支援サロン」など呼び名が異なります。ここでは保育士は、子育てについての相談に乗ったり、親子での遊びや学びのプログラムを提供したり、地域コミュニティの形成支援などを行ったりします。
学童保育は、保護者が勤めに出ている小学生を、放課後の数時間程度預かる施設のことです。「学童クラブ」「放課後児童クラブ」等とも呼ばれます。学童スタッフとしての保育士は、子どもたちの安全管理をするとともに、宿題のサポートや遊びの提供を行います。
保育士資格を活かすことができるのは、公的な施設だけではありません。企業内保育所や病院内保育所など、企業や団体で働く人々の子どもを預かる場所で活躍することも可能です。保育士は、保護者が働く職場に近い場所で保育サービスを提供し、保護者の就業時間に合わせた柔軟な対応なども行います。
テーマパークやアミューズメント施設、ショッピングモールなど、大型の施設に設置される託児施設もあります。こうした施設では、お客さまが安心して施設を楽しめるよう、子どもたちの保育を通じてサポートします。
助産施設や産婦人科でも、保育士資格を生かせるケースがあります。出産に関わる病院や施設では、産前産後の母親のケアや、新生児のお世話が主な仕事となります。また、新米ママに向けた育児の相談やアドバイスなどを行うことで、家族の新たなスタートを支援することが可能です。
保育に直接関わらなくても、保育士の資格を活かせる仕事がたくさんあります。写真館での仕事、とくに子どもの写真撮影においては、子どもたちをリラックスさせ、自然な表情を引き出すためのコミュニケーションスキルが求められます。こうした仕事では、保育士の知識やスキルを充分に活かすことができます。
幼児教室、プリスクール、プログラミング教室、外国語教室、ダンス教室など、子どもを対象としたスクール・教室でも、保育士資格が活かせます。これらの職場で保育士は、その知識を活かして、子どもたちの興味や能力を上手に引き出し、学習へのモチベーションを高める役割を担います。
おもちゃや子ども服、食品などの子ども用品を扱う企業でも、製品の開発や販売において、子どもの発達や安全に関する専門知識が役立ちます。子どもにとって魅力的で安全な製品を開発するためにその知識を活かすことができれば、子どもが好きな人にとっては大きなやりがいとなるでしょう。
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以上のように、保育士資格は、保育園だけでなくさまざまな職場で活かすことができます。「子どもが好き」という気持ち、そして子どもに関する知識を活かして、自分らしく働ける場所を探究してみるのも素敵ですね。
]]>「加圧トレーニング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 加圧トレーニングとは、近年注目されているトレーニングメソッドの1つで、腕や脚の付け根を専用ベルトで圧迫しながら行うトレーニングのこと。適切に行えば低負荷で効率的な筋力アップが期待できるものの、血管に負担をかけるため実践の際は注意が必要です。
今回は、加圧トレーニングの特徴や、少ない負荷で繋がるメカニズム、また把握しておくべき注意点について解説します。
加圧トレーニングとは、専用のベルトなどを用いて腕や脚の付け根を圧迫しながら行う筋力トレーニングのことです。適切な圧力を守る必要がありますが、通常よりも低い負荷で、より高い筋トレ効果が期待できます。
加圧トレーニングは日本で生まれたメソッドですが、近年は海外でも注目を集めています。また、もともとはボディビルディングを目的に開発されたものですが、現在はスポーツ競技やリハビリなど幅広い分野で活用されています。
加圧トレーニングは、なぜ低負荷で高い筋トレ効果に繋がるとされているのでしょうか? そのメカニズムを見ていきましょう。
血液は、全身に酸素をはじめとする栄養を届けると同時に、疲労物質を受け取って身体の外へ運び出す役割を果たしています。加圧トレーニングでは、腕や脚の付け根などをベルトによって適切な力で圧迫して、特定の部位の血流量を減少させます。
すると、筋肉の中は一時的に酸素不足の状態になり、乳酸が速く大量に溜まります。この乳酸は、筋肉を疲労させる原因として知られていますが、じつは成長ホルモンの分泌を促す物質でもあるのです。そして成長ホルモンは、「筋肉・骨を強化する」「脂肪の燃焼を促す」「細胞の新陳代謝を促す」「ケガの修復を助ける」といった様々な役割を担っています。
つまり加圧トレーニングとは、血管の一部を圧迫して筋肉をわざと酸欠状態にすることで、成長ホルモンの分泌を促し、その効果により効率的な筋トレを叶えるメソッドなのです。
成長ホルモンは通常の筋トレでも分泌を促すことが可能ですが、加圧トレーニングでは、その分泌速度が大幅にアップするとされています。
加圧トレーニングの主な特徴(メリット)は、次のとおりです。
成長ホルモンの分泌促進により、通常の筋トレよりも低負荷で、また短時間で高い効果が得られます。つまり、通常よりも効率的なトレーニングが可能です。
低負荷・短時間で行えるため、体力的にもスケジュール的にも、比較的続けやすいトレーニングと言えるでしょう。また「重いものを持ち上げる」といった筋肉そのものへの負担を少なくできるため、ケガのリスクを軽減できます。
血流量を一時的に制限した部位は、毛細血管が拡張され、結果的に血管が強化されます。加圧トレーニングの継続は血行促進効果に繋がり、冷え性や肩こりなどの改善も期待できます。
加圧トレーニングでは、筋肉に余分な負担をかけることなく、成長ホルモンによるケガの修復効果を高めることが可能です。このため、スポーツ選手などがケガからの競技復帰を目指す際、治療後のリハビリテーションにも取り入れられることがあります。
加圧トレーニングは比較的軽い負荷で効果が期待できるため、体力が不足している高齢者や、筋肉量が少ない女性、運動が苦手な人など、さまざまな人にとって実践しやすいトレーニング法となっています。
たくさんのメリットが見込める加圧トレーニングですが、一時的とはいえ血管を圧迫する行為がともなうため、やはり注意すべきポイントもあります。
まず、病気、とくに心臓や血管系に疾病を抱えている人は、加圧トレーニングを行わない方が良い場合があります。何らかの持病がある人はもちろん、自覚のない血栓などに悪影響を及ぼす恐れもあるため、健康状態には充分な注意が必要です。
また、トレーニングの効果を充分に得るためには、加圧・除圧を適切に調節するための知識が不可欠となります。加圧トレーニングは、一般的にトレーナーとのマンツーマンで行われるケースがほとんどです。知識を持たない人が自己流で加圧トレーニングを行っても、思い通りの結果が得られない可能性が高くなります。
上記を踏まえると、加圧トレーニングに挑戦する際には、事前に医師に相談した上で、正しい知識や適切な資格を持ったトレーナーに指導を依頼することが大切です。また、「加圧トレーニングを指導するトレーナーを目指したい」と感じている人は、まず人体やスポーツ医学、そして筋力トレーニングそのものについての正しい知識を得るところから始めてみてはいかがでしょうか。
]]>多くの保育園で実施されている、慣らし保育。これは、新たに入園する子どもたちが新生活に慣れるために設けられているシステムです。今回は、慣らし保育が果たす役割と、その流れ、保育士が知っておくと良い心構えについてご紹介しましょう。
慣らし保育とは、保育園に新しく入園する子どもたちが園での生活に慣れるために行われる、短時間のみの保育プログラムです。
ずっと保護者のもとで暮らしてきた子どもにとって、保護者と離れて保育園で過ごすことにはどうしても不安が伴います。子どもの不安とストレスをできるだけ軽くし、園での生活に早くなじむために設けられるのが、慣らし保育の期間です。
慣らし保育の内容や期間は園によって異なり、保護者の仕事復帰の時期なども合わせて相談の上で調整されます。一般的には、2週間から1ヶ月ほどが目安となります(慣らし保育を行わない保育園もあります)。
慣らし保育は、子ども、保護者、保育士の3者にとって大切な役割を持っています。
まず、子どもにとっては新しい環境や生活リズムに慣れる手助けとなります。初めて保護者から離れて過ごすこと、同年代の子どもたちや知らない大人(保育士)に囲まれて過ごすことに対して、多くの場合子どもは不安を感じます。でも、1〜2時間の保育から始め、徐々に時間を延長していくことで、新しい環境にもスムーズになじみやすくなります。
また保護者にとっても、子どもを預ける不安や子どもがいない時間に慣れ、保育園のシステムや保育士の人柄を知るための良い機会となります。仕事に復帰する予定がある場合は、送り迎えの時間も含めたスケジュールを組み立てるための準備期間となるでしょう。
そして保育士にとっては、子どもの性格や発達段階を理解し、信頼関係を築くための大切な時間となります。この時期に一人ひとりの子どもをよく観察し、保護者ときめ細やかな情報交換を行うことで、今後の保育をより良いものにしていくことができるはずです。
慣らし保育の内容やスケジュールは、各園の方針や保護者の都合によって異なりますが、基本的な流れはだいたいの園で共通しています。慣らし保育の一般的な流れは、以下の通りです。
1.まずは、保護者と一緒に園で過ごす
2.保護者から離れて1〜2時間ほどを過ごす
3.時間を徐々に延ばし、午前中または昼食まで過ごす
4.午後のお昼寝が終わるまで過ごす
5.おやつの時間まで過ごす
6.最終的に、通常の保育時間まで過ごす
このようにステップを踏んでいくことで、子どもたちは無理なく園に慣れていきます。慣らし保育では、子どもたちの様子を見ながら、心身への負担が重くなりすぎないように進めることが大切です。
慣らし保育では、生まれて初めての経験に不安で泣いてしまったり、お昼寝や食事がうまくできなくなってしまったりする子どもも多いもの。そんなとき、保育士にとって大切なのは「焦らないこと」です。
根気よく明るく接することで、子どもたちは徐々に安心感を持つようになります。優しい声かけや元気な呼びかけ、歌や手遊び、紙芝居など、子どもが興味を引かれて楽しめるよう色々な方法を試してみましょう。
また、保護者と積極的に関わることも大切です。子どもにとって保護者は、安心のバロメーターでもあります。保護者が保育士を信頼して笑顔で会話していれば、その姿を見た子どもも安心しやすくなるのです。子どもの好きなことや普段の生活の様子についてなど、保護者との積極的なコミュニケーションを図っていきましょう。
もし保護者からアドバイスを求められたら、子どもとの別れ際に「笑顔でバイバイすること」や、子どもに「◯◯したら(例:ご飯が終わったら、など)迎えに来るからね」と声かけするように伝えてみましょう。慣らし保育の期間に「離れても必ず迎えに来てもらえる」と実感できれば、子どもたちの不安も徐々に払拭されて、保育園での生活を楽しめるようになっていきます。
慣らし保育は、子ども、保護者、保育士がより良い新生活を送るためのステップです。子どもたちが新しい環境でも安心して過ごせるよう、慣らし保育を通じて、信頼を築いていきましょう。
]]>スポーツ栄養学とは、栄養学の中でも主に運動やスポーツを行う人のために特化した分野のことです。一般に、運動量が多い人は栄養不足による故障や体調不良のリスクが高くなりますが、栄養学の知識を活かすことで、これらのリスクを低減できます。
この記事では、「将来スポーツ関連の仕事に就きたい」「アスリートの食事や栄養マネジメントに携わりたい」と考えている方に向けて、スポーツ栄養学の内容や関連資格、活かせる仕事の種類について解説します。
スポーツ栄養学は、運動やスポーツを行う人々のための栄養学です。この分野では、運動によって変化する身体に対して、必要な栄養素の種類や適正量、接種するタイミング、摂取方法などについての知識やスキルが学習・研究されています。
運動による故障や体調不良のリスクを低減し、健康を維持・向上させるためには、栄養学の知識が不可欠です。またスポーツで高いパフォーマンスを発揮したり、ダイエットを健康的に成功させたりするためにも、栄養摂取に関する正しい知識と実践スキルが求められます。
こうしたニーズに対応できるよう、スポーツと栄養学とを組み合わせ、体系的かつ実践的なガイドラインを構築するための分野が、スポーツ栄養学です。
とくにスポーツトレーナーは、様々な目的で運動する人々のサポートをしていく仕事です。トレーナーをはじめとするスポーツ系の仕事では、スポーツ栄養学の知識が大いに役立ちます。
スポーツ栄養学の分野では、次のような内容の学習・研究が行われています。
栄養素の種類や特徴、人体への影響、消化吸収に関する知識、食習慣の最適化についてなど、栄養学の基礎を体系的に学びます。また、その知識とスポーツとの関連性をより深く探究することが可能です。
運動が身体に及ぼす影響を科学的に理解し、栄養摂取にどのように影響するかを学ぶことができます。スポーツを行う人をサポートするためには、運動によって消費するエネルギーと補うべき栄養素を把握した上で、年齢による身体の変化なども合わせた総合的な栄養指導が求められます。
エビデンス(科学的な根拠)に基づいた栄養摂取の方法を学ぶことができます。スポーツをする人にとって、必要な栄養素の量や効果的な栄養摂取のタイミングは、競技の種類やポジション、個人の年齢や体質、トレーニングの内容によっても異なります。スポーツ栄養学の知識を身につけることで、多様なニーズを持つ人々をより効果的に、かつ安全にサポートできます。
スポーツ栄養学の知識は様々なシーンで活用できますが、次のような仕事をする上ではとくに役立ちます。
スポーツトレーナーは、スポーツチームやアスリート、また運動を行う多くの人々に対してサポートと指導を行います。パフォーマンスの向上も、健康的なダイエットも、それをサポートするためには、長期的な視点でトレーニングと食事を総合的にマネジメントすることが大切です。
栄養学の知識は、あらゆるスポーツトレーナーに役立つスキルですが、とくにアスレティックトレーナーやパーソナルトレーナーを目指す人にとっては大きな強みとなるでしょう。
プロチームやアスリート、学生・アマチュアチーム、ジュニア・キッズスポーツのチームなどの専属スタッフとして働く際にも、スポーツ栄養学の知識は重要です。トレーナー、コーチ、栄養士、フードアドバイザーといった仕事をする上で、スポーツ×栄養摂取の専門家としてのアドバンテージが得られます。
スポーツ系専門学校や大学・短大、高校、小・中学校などで、スポーツ指導を行う立場でも、スポーツ栄養学の知識を活かせます。選手に対してトレーニングと栄養指導を提供できるほか、スポーツトレーナーを育成する場面でも役立ちます。また、セミナーや講習会を開催して、より幅広い活躍の場を開拓することも可能です。
国や大学などの研究機関や、スポーツ関連企業などの開発部門で、スポーツ栄養学の知識を活かした研究や新しい製品の開発に貢献することができます。
スポーツ栄養学は、スポーツ系の専門学校や大学・短大などで学べるほか、関連資格を取得する過程で身につけることも可能です。スポーツ栄養学に関連する主な資格は、次のようなものです。
・管理栄養士(厚生労働省)
厚生労働省管轄の国家資格で、栄養学全般に関する知識とスキルを証明します。健康な人に対する食事指導はもちろん、病院などの医療施設、学校や保育施設、介護施設などでの栄養管理も行うことができる資格です。
・公認スポーツ栄養士(日本栄養士会)
スポーツ栄養学のスペシャリストとして働く「スポーツ栄養士」のための資格です。アスリートやスポーツチームといった現場のニーズに応え、栄養指導や栄養教育、食環境の整備などを行うスキルが身につきます。
他にも、スポーツフードアドバイザー(日本能力開発推進協会)、スポーツフードマイスター(日本安全食料料理協会)、アスリート栄養食インストラクター(日本インストラクター技術協会)などもスポーツ栄養学と関連のある資格です。
スポーツ栄養学は、まだ新しい分野ではあるものの、今後ますます注目されていくことが予想されます。東京YMCA社会体育・保育専門学校でも、授業の一環として取り入れていますので、興味がある方はぜひカリキュラムをチェックしてみてくださいね。
]]>保育士が活躍できる職場は、保育園だけではありません。日本には、保育園も含めた様々な「児童福祉施設」があります。2023年8月現在、児童福祉施設はその役割によって12種類に分類されていますが、種類が多く名前も似ているため、保育士を目指す方でも混乱しやすいかもしれません。
この記事では、12種類の児童福祉施設について「どんな施設があり、それぞれどんな役割を果たしているか」を分かりやすく解説します。
児童福祉施設とは、児童福祉に関する事業を行う施設のこと。分かりやすく言うと、「子どものための保育、保護、養護などを行う施設」のことです。
具体的には、子どもたちが安心して生活し、健やかに成長するための場所や施設を指します。とくに、親や家庭の状況が子どもたちの健全な成長に影響を及ぼす可能性がある場合に、そのサポートや保護を行うために設けられている施設が多いです。
児童福祉施設の定義は、「児童福祉法」第7条第1項で規定されています。また、児童福祉施設は児童福祉法をはじめとする法令に基づいて事業を行います。
児童福祉法によると、児童福祉施設は次の12種類に分類されています。
助産施設は、経済的理由などで入院助産ができない妊産婦のために、入所をともなう出産支援を行う施設です。主に産婦人科を有する病院や助産院等が助産施設の指定を受け、その役割を担っています。
乳児院は、主に1歳未満の乳児、必要に応じて小学校入学前までの幼児を養育するための施設です。保護者の事情で家族とともにいられない子どもを養育する役割を担っています。虐待やネグレクトなどの理由で家庭での生活が難しい場合や、子ども自身が発達に問題を抱えている場合も含まれます。
母子生活支援施設は、配偶者のいない女性とその子どもを保護し、自立促進のための生活支援をはじめとする様々な援助を行うための施設です。以前は「母子寮」と呼ばれていましたが、1998年に母子生活支援施設に改称されました。
保育所は、保護者からの依頼により乳児から小学校入学前までの幼児を保育する施設で、厚生労働省が管轄しています。共働きの保護者が子育てと仕事を両立するための支援が中心となりますが、就労以外にも出産・疾病・介護など、保護者の様々な事情に対応しています。
文部科学省管轄となる幼稚園は、保育を目的とする保育所(保育園)とは異なり、学校教育の基礎をつくる幼児期の教育が主な目的となります。保育園と幼稚園は法律により区別されていますが、2006年に成立した認定こども園法により、両者のメリットを取り入れた「幼保連携型認定こども園」が誕生しました。
幼保連携型認定こども園は、教育と保育を一体的に行う施設です。幼稚園と保育所の良さを結びつけた機関であり、保護者の働く状況に関わらず、就学前の子どもたちの教育と保育を提供します。
児童厚生施設は、児童に健全な遊びを提供するための施設(場所)です。児童の健康増進と情緒の発達を目的としており、屋外型の「児童遊園」と、屋内型の「児童館」の2つのタイプが存在します。
児童養護施設は、保護者のいない児童や虐待を受けている児童、その他養護が必要な児童を受け入れ、養護や自立支援を行う施設です。様々な事情を抱える子どもたちの健やかな成長と発達をサポートします。
障害児入所施設は、障がいを持つ児童を入所の形で受け入れ、支援を行うための施設です。支援内容によって、福祉型と医療型の2つに分かれます。なお、かつての「知的障害児施設」「盲ろうあ児施設」「肢体不自由児施設」「重症心身障害児施設」は、2012年の児童福祉法改正により「障害児入所施設」に統合されました。
児童発達支援センターは、障がいを持つ児童を(入所ではなく)通所により支援する施設です。福祉型と医療型の2つのタイプがあり、子どもたちの成長と発達をサポートします。
児童心理治療施設は、心理的な困難や苦しみを抱える児童を対象に、短期間入所もしくは通所により支援を行う施設です。2017年より「情緒障害児短期治療施設」から名称が変更されました。様々な心理療法や生活指導を通じて、子どもたちの社会適応性を高めるサポートを行います。
児童自立支援施設は、犯罪や不良行為を行った児童(あるいはその恐れがある児童)や、家庭環境等の理由により生活指導が必要な児童を受け入れ、自立を支援するための施設です。学校に代わる学科指導や職業指導も行い、日常生活を支えながら将来の自立をサポートします。
児童家庭支援センターは、地域の児童や母子に関する福祉問題について、相談を受けたり助言や指導を行ったりする専門機関です。児童相談所や他の児童福祉施設と連携し、地域住民の協力のもと、子どもたちの幸福な成長を支えます。
これらの児童福祉施設は、いずれも保育士資格を活かすことが可能です。施設の多くは、法律によって保育士資格を持つ人の設置が必須となっており、その他の施設でも有資格者は特定の役割を果たせます。
保育士資格を持つ人が児童福祉施設で働く際には、施設ごとの役割やニーズに応じて、専門知識や経験を活用することが大切です。就職や転職について考えている人は、自分にとってやりがいのある職場はどんな所なのかを考え、将来の道を選び取っていきましょう。
※この記事の情報は2023年8月現在のものです。
]]>私たちの身近にある接骨院や整骨院、整形外科。これらの施設ではスポーツトレーナーも多く活躍していますが、それぞれの違いや特徴については「よく分からない」と感じる人も多いのではないでしょうか?
今回は、接骨院、整骨院、整形外科について、それぞれの違いや施術の種類、役立つ資格などを解説します。
「◯◯接骨院」「□□整骨院」といった名称は、どちらも街中で見かけますよね。「接骨院と整骨院はどう違うんだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?
接骨院と整骨院は、名称が異なるだけで実質的には同じ種類の施設で、どちらも柔道整復師がメインで施術を行います。法令上では「接骨院」「ほねつぎ」「柔道整復院」という名称の利用が許可されており、厳密に言えば「整骨院」という名称は許可されていません(法律の上では「接骨」は専門用語として用いられますが、「整骨」という言葉は基本的に用いられません)。
ただし、実際には「整骨院」という名称も「接骨院」同様一般に広く認知されているため、これまでは慣例的に使用が認められてきました。しかし今後は厚生労働省の方針により、「整骨院」という名称を徐々に廃止し、将来的に「接骨院」「ほねつぎ」「柔道整復院」等に統合していく流れが固まりつつあります。
接骨院・整骨院では主に、骨折、脱臼、打撲、捻挫、その他スポーツ外傷等、急性の負傷に対する処置が行われ、規定の範囲内で健康保険や労働保険が適用されます。また、保険適用外の処置として、慢性の痛み(肩こり、腰痛など)に対する処置が行われるケースもあります。
接骨院や整骨院では、主に柔道整復師(国家資格の取得者)により、次のような施術が行われます。
◆整復
骨折や脱臼に対し、手技を使って骨や関節を正しい位置に戻す施術です。
◆固定
骨折や脱臼が生じた患部を、包帯やテーピング、ギプス、副え木、サポーターなどを使って正常な位置に固定する施術です。
◆後療法
患部を早期回復させるための施術です。身体の自然治癒力を高めるために、超音波、電気、マッサージなどを駆使して患部の血行を促進させます。
なお、柔道整復師は医師免許ではないため、レントゲン検査、エコー検査、血液検査などは行えません。また、骨折や脱臼に対する応急処置や治療後のリハビリ行為は担当できますが、手術など応急処置以外の治療行為も行えません。
整形外科とは、骨や軟骨、筋肉、靭帯、神経などに関わる病気や怪我の診療・治療を行う医療機関です。医師免許を取得した有資格者により、主に次のような施術が行われます。
◆診察、処方箋の発行
医師による診察および処方箋の発行を行います。また、必要に応じてブロック注射等の治療を行うこともあります。
◆各種の検査
レントゲン検査、エコー検査、血液検査など、各種の検査を行います。
◆手術
怪我の治療のための外科手術や、人工関節の置換術などを行います。
整形外科での治療の対象となるのは、切り傷や擦過傷などの傷全般、関節痛、リウマチ、通風、骨粗鬆症など。また、接骨院や整骨院と同様、骨折、脱臼、打撲、捻挫等の治療も可能です。
柔道整復師も医師免許も、どちらも国家資格です。国家資格を持つ専門家という点では共通している両者ですが、「接骨院・整骨院」と「整形外科」では、明確に異なる部分もあります。
接骨院や整骨院でできるのは、手技による整復・固定、電気・超音波を使ったリハビリのサポート、慢性的な痛みを緩和するマッサージなどです。応急処置以外の医療行為(手術など)や、レントゲン検査、エコー検査、血液検査、診断書の発行、薬の処方などはできません。
整形外科で主にできるのは、医師の診察、外用薬や湿布の処方、レントゲン検査やエコー検査、血液検査などです。怪我に直接アプローチする治療がメインであり、手技によるマッサージや電気・超音波などによるリハビリ治療を行うかどうかは、病院の方針により異なります。
患者として整形外科を利用した人が、「短時間の診察で物足りなかった」「もっとじっくりマッサージしてもらえると思った」などの感想を抱くことがあるのは、メインとなる施術内容に大きな違いがあるためです。利用する側に立った際は、こうした違いを意識して目的別に「接骨院・整骨院」か「整形外科」かを選ぶことが大切ですね。
接骨院・整骨院や整形外科の現場では、スポーツトレーナーの経験・スキルを持つ人が様々な役割で活躍しています。
たとえば、柔道整復師の資格を持つスポーツトレーナーは独立開業して接骨院を開業することができますし、リハビリに関する知識を活かして整形外科で働くアスレティックトレーナーも多く存在します。また、接骨院・整骨院や整形外科で働きながら、要請に応じてスポーツチームや選手のトレーナーを務める、といった働き方も可能です。
スポーツトレーナーの仕事に必須の資格や免許はとくに定められていませんが、知識やスキルを証明できる資格を取得しておくと、就職や実務を行う上で助けになります。
接骨院・整骨院、整形外科などで活躍するためには、とくに次のような資格が役立ちます。
国家資格
民間資格
接骨院・整骨院や整形外科で働くスポーツトレーナーには、安定した収入を得られるという大きなメリットもあります。それぞれの特徴を把握して、将来設計に活かしていきましょう。
子どもたちに良い刺激を与え、保育の幅も広げてくれる、そんな「交流保育」が昨今注目されています。
交流保育には様々な形があります。たとえば、同じ園で異なる年齢の子ども同士が交流する「異年齢交流保育」や、地域の大人と交流する「地域交流保育」など。
今回は、そんな交流保育について、具体的にどのようなことが行われるのか、どんなメリットやねらいがあるのか、などを解説します。
交流保育とは、保育園をはじめとする保育施設に通う子どもたちに、他クラスや他園の子どもや地域の大人との触れ合いの機会を設けることで、心や知能の発育を促す保育の形です。
年齢の異なる子ども同士や、子どもたちと地域の大人たちなどが交流することで、子どもたちにとっては貴重な体験ができたり、社会性や協調性といった生きるために大切な力を身につけるきっかけになったりします。
とくに少子化や核家族化が進む近年の子どもたちは、兄弟姉妹など年が離れた子どもと遊ぶ機会や、祖父・祖母といった高齢者と触れ合う機会が少なくなっています。
そうした環境の中で、交流保育は子どもたちの心の成長を助ける試みとして注目されています。子どもたちの人生を健やかで豊かなものにする能力、たとえば、社会性、協調性、創造性、道徳・規範意識などを育てる機会として、交流保育を実践する保育施設が増えています。
一口に「交流保育」と言ってもそのスタイルは様々です。
たとえば、
など。
今回は、同じ園の異なる年齢の子ども同士で交流する「異年齢交流保育」と、地域の高齢者など大人と交流する「地域交流保育」を中心に解説していきます。
異年齢交流保育とは、年齢の異なる子ども同士で一緒に遊んだり季節行事を楽しんだりする形の保育で、「縦割り保育」「混合保育」などとも呼ばれます。
同じ園内の低年齢クラスと高年齢クラスが一緒に遊ぶ時間があれば、それは立派な異年齢交流になります。保育園によっては、「毎月1回」「3ヶ月に1回」といったペースでこうした機会を設け、定期的なイベントとして行っている施設もあります。
年齢の異なる子ども同士が接することで、子どもたちの心にはたくさんの良い刺激が生まれます。たとえば、年上の子どもたちに年下を気遣う思いやりの精神が芽生えたり、年下の子どもたちに年上のお兄さん・お姉さんを尊敬し「自分もこうなりたい」という憧れの気持ちが生まれたり。
また、お互いの言動が刺激となって、人を尊重する心や、社会性・協調性、コミュニケーション能力など、集団生活をスムーズにする多くの能力が身につくことも多いでしょう。
そんな異年齢交流保育ですが、実践する上で気をつけたいポイントがいくつかあります。
まずは、子どもたちの安全の確保です。同じ年齢でも成長の速度に個人差がある、子どもたち。年齢が異なる子ども同士では、体力や腕力、できること・できないことの差異がより大きくなることを、保育士はしっかり意識する必要があります。いつもと同じ遊びでも、特別ルールを設けるなどして安全性を確保しましょう。
また、ある意味で年下の世話をする形になる年上の子どもたちについては、その負担が大きくなりすぎないよう注意することも大切です。年下を優先するあまり年上の子どもに不要な我慢を強いることのないよう、保育士は子どもたちの様子をよく観察し、適切な声がけやこまめな休憩を心がけましょう。
地域交流保育とは、子どもたちが行事やお出かけなどを通して地域の大人と触れ合う形の保育です。運動会や社会科見学、身近なところでは毎日のお散歩でご近所の方と会話することも、地域交流保育の一環と言えるでしょう。
中でも注目されているのが、地域のデイサービスセンターや介護施設で高齢者と触れ合うスタイル。園児たちにとって良い体験となるだけでなく、高齢者側も子どもたちの元気な姿から笑顔や活気を受け取ることができます。
近年、とくに都市部の子どもたちは、祖父母と離れて暮らしているケースも珍しくありません。こうした子どもたちにとっては、高齢者との会話や触れ合いそのものが、貴重な体験となります。
お手玉や折り紙、けん玉といった昔ながらの遊びを教えてもらったり、料理や楽器演奏といった特技を披露してもらったり。また、一緒に歌ったり手遊びしたりするだけでも、子どもたちの心にとっては大きな刺激になります。
また、高齢者をはじめとする地域交流保育は、保育園や園児たちに対する地域の人々からの理解を得るきっかけになります。保育士と保護者だけでなく、地域全体で子どもたちを温かく見守る空気感が生まれれば、安全面でもメリットが生まれるでしょう。
高齢者と接する地域交流保育で気をつけたいのは、子どもたちと高齢者の双方にとって無理のないイベントにすることです。
幼い子どもと高齢者とでは、物事を進めるペースも、身体能力も、大きく異なる場合が多いもの。走り回る子どもたちを相手にすることで高齢者が疲れてしまったり、逆に高齢者との関わりの中で子どもたちが萎縮しきってしまったり......といったことになると、交流は残念な結果になってしまいます。
保育士は、余裕を持ったスケジュールや充分な準備を心がけ、安全で楽しい会になるよう工夫することが成功の秘訣となるでしょう。
]]>筋トレやダイエットなど、様々な目的に用いられているスロートレーニング、通称「スロトレ」。スロトレは、ボディメイクを目指す人はもちろん、運動が苦手な人や高齢者でも始めやすく、効果が得やすい運動法として注目されています。
スロトレとは、いったいどんな特徴を持つ運動なのでしょうか? また、実践の際はどんなことに注意すべきなのでしょうか? 今回は、スロトレの特徴やメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。
スロートレーニング(スロトレ)は、その名のとおり「ゆっくりした動作で行われるトレーニング」のこと。別名「筋発揮張力維持法」とも呼ばれる運動法です。
スロトレのポイントは、筋トレの動作を極めてゆっくり行うこと。言い方を変えると、鍛えたい箇所の筋肉にずっと力を込めたまま、筋トレを行うのがスロトレです。たとえば、スクワットや腕立て伏せなどを行う際、ゆっくりとした動きで、また膝や肘などを伸ばしきらず力を込めたままの形で、10回程度繰り返して負荷をかけます。
力を抜かずにゆっくり動かすと、筋肉には通常以上の負荷がかかります。このため、少ない運動回数でも大きな効果が得られるという仕組みです。自宅でもジムでも場所を選ばず実践でき、また関節や腱への負担が少なく怪我をしにくいため、運動初心者や高齢者にも適した運動法と言えます。
ゆっくりした動作で行うスロトレには、次のようなメリットがあります。
スロトレの主なメリット
スロトレは、速い動きや多くの回数・時間などで肉体を追い込むのではなく、力を抜かずにゆっくり動くことで筋トレ効果を高める運動法です。関節や腱など怪我をしやすい部分への負荷を少なくしつつ、充分な効果を得られるため、運動初心者や高齢者なども比較的安全に実践できます。
また、筋トレでは正しい姿勢を維持することが効果を上げる重要なポイントとなりますが、トレーニングに慣れていない人の場合は動作を繰り返すうちにいつのまにか姿勢が崩れてしまうことも多いものです。その点、スロトレは正しい姿勢を意識しながら行いやすいため、ベストな効果が期待できます。
嬉しいメリットの多いスロトレですが、知っておきたい注意点(デメリット)もいくつかあります。
スロトレの主なデメリット
スロトレは、長期的に続けることで筋肉を徐々に増強していく運動法です。筋肉が増強されるまでには少なくとも3〜4ヶ月はかかるため、「2週間後までに減量したい」といった短期的な結果を出すことは難しいでしょう。ただし、スロトレには基礎代謝をアップする効果が大きいので、長期的なスパンでのダイエットや減量には適しています。
また、スロトレはインナーマッスルの強化や持久力アップには適していますが、瞬発力の強化には向いていないため、目的に合わせてトレーニング方法を調整しましょう。
スロトレをより効果的に行うためには、次のポイントを意識することが大切です。
まず意識したいのは、ゆっくり動くことです。たとえばスロースクワットでは、3〜5秒かけてゆっくりと尻を下ろし、また3〜5秒かけてゆっくりと上げていきます。これは、腕立て伏せや腹筋など、どのスロトレでも共通のポイントです。
1回の動作が終わるごとに力をゆるめるのではなく、5回、10回、と動作を繰り返している最中ずっと筋肉に力を入れたままで行うことも大切です。これを実現するために、肘や膝を伸ばしきらない状態で次の動作に移ることを意識しましょう。
筋肉細胞の修復速度を考えると、スロトレは毎日行うよりも、週2〜3回くらいの頻度で行うことが理想的です。また、結果が現れるまでに少なくとも3〜4ヶ月の時間が必要であるため、焦らずコツコツと継続していきましょう。
]]>保育の仕事では、日常的にたくさんの専門用語が使われています。保育士・幼稚園教諭を目指す方や、保育の仕事で分からない言葉がある方のために、保育業界の専門用語を五十音順で解説します。
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(あずかりほいく)(えんちょうほいく)
保育園や幼稚園で、通常の営業時間外に子どもを預かるシステムのこと。基本的にはその園に通園している子どもが対象で、保護者の仕事の都合や家庭の事情など、様々な理由で活用されています。園の定時後に預かるケースが多いですが、定時前の時間帯や土日祝日などに預かるケースも含まれます。
(いちじほいく)
保育園・幼稚園に通っていない子ども(待機児童など)を対象に、1日単位、もしくは時間単位で一時的に保育を引き受けるシステムのこと。認可保育園、認可外保育施設、地域の子育てサポートセンターなどで実施されており、保護者の急用や急病といった緊急事態を中心に活用されています。
(いんくるーしぶほいく)
障がいの有無などで保育の場を分けることをせず、全ての子どもが一人ひとりに必要な援助を受けながら、包括的に保育を受けること。障がいの有無で組(クラス)を分ける「分離教育」や、障がい児への援助が重視される「統合教育」といった従来のスタイルを脱却し、「全ての子どもが互いに個性を尊重し合い、一人ひとりに必要な支援が確保される」という、多様性・共生社会における新たな保育の形として、世界的に注目が集まっています。
(いんくるーじょん)
英語で「包括(色々なものを1つに取りまとめること)」や「包含(包み込み、中に含んでいること)」を意味する言葉。近年は「あらゆる人が、人種・性別・障がいの有無といった様々な違いによって差別されることなく、その個性や属性を互いに受け入れ、尊重し合っている状態」を表す言葉として用いられており、保育や教育の現場では、この状態を実現させる「インクルーシブ保育(教育)」が注目されています。
(がくどうほいく)
保護者が勤めに出ている学童(小学生)を対象に、放課後の数時間程度、子どもを預かり見守る施設やサービスのこと。「学童クラブ」「放課後児童クラブ」等とも呼ばれます。職員は子どもたちと一緒に遊んだり、宿題を見たりするほか、場合によっては夕食や入浴までケアするケースもあります。また、放課後だけでなく、土日祝日や長期休暇中に子どもを受け入れている施設もあります。
(かていてきほいく)
「家庭的保育事業」のことで、保育士の自宅やマンションの一室などを利用して、少人数の子どもを預かる保育サービスを指します。対象年齢は0〜2歳、保育士1〜2人に対して子ども3〜5人が定員となり、小規模ならではの手厚いケアと子どもたち一人ひとりのニーズに応じた保育を提供できるメリットがあります。家庭的保育を行う保育士(家庭的保育事業者)は「保育ママ」とも呼ばれます。
(きょたくほうもんがたほいく)
特定の条件に合致する子どもを対象に、保育士が子どもの家を訪問して保育を行うサービスのことです。対象年齢は0〜2歳で、主に集団保育が困難な障がいを持つ子どもや、地域や家庭の事情で保護者による保育が難しい子ども(待機児童を含む)に対して提供されます。子ども1人に対して保育士1人のマンツーマン体制が必須となり、利用するための条件など一般のベビーシッターとは異なるルールが定められています。
(こうりゅうほいく)
保育園や幼稚園に通う子どもたちが、他園の子どもや地域の高齢者など、園外の人々と交流する機会を設けること。園の垣根を越えた合同遠足や運動会、近隣のデイサービスセンターの利用者との交流会など、形式は多岐に渡ります。様々な人々と触れ合うことは、子どもたちの社会性や協調性、情緒を養う一助になります。
(こそだてしえん)
乳幼児を中心とした子どもと、子どもを持つ家庭に対して、育児に関するサポートや支援を提供する活動のこと。主に行政や地域の保育施設が中心となって、必要とされる保育サービスの提供や、保護者の悩み相談などを行います。なお、こども家庭庁による「子ども・子育て支援制度」は、幼児期の教育・保育、地域の子育て支援の拡充・質の向上を目的とした制度であり、児童手当や仕事・子育て両立支援事業などについて定めています。
(こどもえん)(にんていこどもえん)
内閣府が管轄する、保育園と幼稚園の両方の機能を兼ね備えた保育施設のこと。保育と教育を両立できることや、保護者の状況の変化にフレキシブルに対応できることが特徴です。「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4タイプがあり、0歳〜小学校就学前までの幅広い子どもの受け入れが可能となっています。
(じぎょうしょないほいく)
企業が、そこで働く従業員の子どもを預かり、事業所の中で行われる保育のこと。複数の企業が合同で運営する場合もあります。かつて事業所内保育園は全て認可外保育施設とされていましたが、2015年施行の「子ども・子育て支援新制度」により、現在では一定の基準をクリアした施設については自治体の認可施設扱いとなっています。
(じどうかん)
自治体やNPO法人、民間企業などによって運営される、18歳未満のすべての子どもが自由に利用することができる児童福祉施設のこと。子どもたちが安全に遊び学ぶことができる場所として地域に設置され、保護者も安心して子育てができるように支援するための施設です。室内遊びや学習支援、文化活動など多様なプログラムを提供し、子どもたちの社会性や創造性を育む場として機能しています。
(じどうこうせいにきゅうしどういん)
(一財)児童健全育成推進財団が認定する資格の1つです。児童福祉施設や放課後児童クラブなどで子どもたちの保育や指導を行い、遊びや生活を通した健全な心身の発達を支援することができる人材を育成・認定しています。資格取得には子どもの健康や心理および教育に関する専門知識が求められ、定められた研修を受けることが必須となります。
(じどうふくしほう)
18歳未満の児童の健全な成長や、その生活が保障されることを目的として、1948年に施行された法律です。主な内容は、児童福祉の基本的な理念について、福祉にまつわる制度や子育て支援について、児童福祉施設などの事業について、里親に関すること、子どもの健康保険に関することなど。保育士の定義や資格取得要件も、児童福祉法に基づいて定められています。
(じどうようごしせつ)
児童福祉法によって規定される児童福祉施設の一つで、保護者がいない児童や虐待を受けている児童など、公的機関による養護を必要とする児童のための施設です。主に1歳〜18歳未満までの(乳児以外の)児童が対象となり、子どもたちの保護と育成、自立支援を目的としています。
(しょうきぼほいく)
0~5歳児を対象とする保育施設のうち、定員6~19人の範囲で運営されるもののこと。もともとは認可外保育施設とされていましたが、2015年施行の「子ども・子育て支援新制度」により、自治体の認可事業の位置づけとなりました。また、かつては2歳児までの定めがありましたが、2023年に対象年齢が引き上げられています。
(たてわりほいく)
「0歳児」「1歳児」といったクラス分けをせず、様々な年齢の子どもたちを同じクラスで保育すること。「異年齢保育」「混合保育」とも呼ばれます。年齢を越えた交流を通して、協調性や思いやりの心を育みやすいと言われています。常に縦割り保育を実施している園だけでなく、曜日や日程を決めてイベント的に取り入れている園もあります。
(てあそび)
歌のリズムや歌詞に合わせて、手や指、身体を動かして楽しむ遊びのこと。特別な道具も広い場所も要らず、幅広い月齢・年齢の子どもたちが、1人でも多人数でも楽しむことが可能です。また、子どもたちの脳を刺激して情緒の発育を促し、想像力や語彙力を育み、コミュニケーション能力や運動能力を向上させるといった効果も期待できます。
(ならしほいく)
新しく入園する子どもを対象に、新生活にスムーズに移行できるよう、一定期間は短時間のみの登園を重ねるシステム。保護者と離れることへの不安や環境の変化によるストレスなど、子どもたちにかかる心身の負担を軽減するために行われます。数日〜1ヶ月を目安に保育時間の調整を行い、園で預かる時間を徐々に増やしていきます。
(にゅうじいん)
児童福祉法によって規定される児童福祉施設の一つで、何らかの事情により、保護者が家庭で育てられない状況にある乳幼児を養育する施設です。対象となるのは、保護者の病気・死亡・受刑といった事情により養育が難しい乳幼児や、虐待・ネグレクトの被害児童など。基本的には0歳〜2歳児が対象ですが、必要性が認められれば3歳以上の子どもの養育も行います。
(ほいくえん)
保育所の通称で、厚生労働省が管轄する児童福祉施設の一つです。生活面と遊びの両面から子どもを見守り、保育することを目的としています。保育園は、主に保護者の仕事や妊娠出産、入院等の事情により家庭での保育が難しい子どもを預かる施設であるため、保護者の就労状況等の入園条件が定められています。0歳〜小学校就学前までの子どもが対象となります。
(ほいくし)
厚生労働省が管轄する「保育士資格」を取得して、0〜5歳の未就学児の保育を担う人のこと。主に保育園や児童養護施設などに勤務し、保護者に代わって子どもたちの保育(見守りと安全確保、生活習慣のトレーニングなど)を行います。なお、保育士資格は児童福祉法に基づく国家資格です。
(ほうかごじどうくらぶ)
仕事などの事情により保護者が昼間家庭にいない小学生を、学校の空き教室や児童館などで預かる事業や施設のこと。目的は「児童に適切な遊びや生活の場を与えて、健全な育成を図ること」で、法律上の名称は「放課後児童健全育成事業」。他に「学童保育」「学童クラブ」等とも呼ばれます。預かるのは平日の放課後が中心ですが、土日祝日や長期休暇中に受け入れを行う施設もあります。
(ようちえん)
文部科学省が管轄する教育機関の一つ。分類としては「学校」にあたり、主に知育や教育的な側面の発達を促すことを目的としています。保育園と異なり、幼稚園には保護者の就労状況等の入園条件は設定されていません。このため、基本的にどの家庭でも入園の申し込みが可能です。3歳〜小学校就学前までの子どもが対象となります。
(ようちえんきょうゆ)
文部科学省が管轄する「幼稚園教諭免許」を取得して、3〜5歳の子どもたちの教育を担う人のこと。主に幼稚園などに勤務し、小学校入学に備えて基礎的な教育(カリキュラムに沿った学習や遊びなど)を行います。なお、幼稚園教諭免許は教育職員免許法に基づく教員免許です。
スポーツ業界には、業界用語・専門用語がたくさんあります。スポーツ関連の仕事を目指している人や、業界で働き始めた人のために、スポーツ業界の専門用語を五十音順で解説します。
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(あすれてぃっくとれーなー)
スポーツ選手の健康管理と外傷・障害予防をサポートするトレーナーのこと。怪我の予防を主軸にトレーニングやコンディショニング全般を管理し、試合中や練習中に負った怪我の応急処置も行います。アイシングやテーピング、止血等に関わる専門知識が求められます。
(あすれてぃっくりはびりてーしょん)
怪我や故障の治療を終えたスポーツプレイヤーが、競技生活に復帰するために行うリハビリテーション(機能回復訓練)のこと。通常のリハビリテーションが日常生活への復帰を目的とするのに対し、アスレティックリハビリテーションでは競技への復帰と怪我・故障の再発予防に重点が置かれます。アスレティックリハビリテーションを担当するトレーナーは「アスレティックトレーナー」等と呼ばれます。
(あだぷてっどすぽーつ)
心身に障がいを持つ人、高齢者、子どもなど、さまざまな人が一緒に楽しめるように工夫されたスポーツ競技。既存のルールや用具を改定して行われる競技のほか、新たに考案された競技も含みます。「アダプテッド(adapted)」は英語で「適合した」を意味します。
(うえいととれーにんぐ)
筋力トレーニングのうち、バーベルやダンベル、油圧・空気圧を利用したマシンなど、筋肉に負荷をかける用具・器具を使用して行う運動のこと。「ウェイト(weight)」は英語で「重し、重量」を指す言葉であり、ウェイトトレーニングは筋肉や持久力を鍛えるために「重し」を利用することから、こう呼ばれます。
(うぉーみんぐあっぷ)
運動やスポーツ競技を始める前に行う、軽い体操やストレッチ、準備運動全般のこと。「ウォームアップ」とも言います。目的は、筋肉や関節を温めて血液の循環を促進し、急激な負荷によるケガを予防すること。肉体を運動に最適な状態に整えるために行います。
(きっずすぽーついんすとらくたー)
子ども向けのスポーツインストラクターのうち、主に小学生以上の児童を中心に指導を行う人のこと(ただし明確な定義はなく、幅広い年代の子どもに接する場合もあります)。スポーツを通じて心身の健全な成長をサポートするとともに、競技レベルに応じてテクニカルなトレーニングや戦術的なアドバイスも行います。
(くーるだうん)
激しい運動をした後に行う、軽い運動やストレッチのこと。「クーリングダウン」とも言います。激しい運動から静かな状態へ急激に移行すると、筋肉痛や疲れが残りやすくなったり、ケガをしやすくなったりします。クールダウンを行うことで、体温や心拍数を徐々に下げ、肉体への負荷を軽減させます。
(けんこううんどうじっせんしどうしゃ)
(公財)健康・体力づくり事業財団による認定資格で、健康づくりのための運動を、安全かつ効果的・実践的に指導する能力を認定するものです。資格取得者は運動生理学やスポーツ医学に関する知識を有し、スポーツジムやフィットネスクラブ、病院や診療所、介護・福祉施設、学校など、様々な場所で活躍しています。
(こどもすぽーついんすとらくたー)
スポーツやレクリエーションを通して、子どもたちの心身の成長をサポートするスポーツ指導員のこと。身体を動かす楽しさを伝えると同時に、協調性や積極性、粘り強さなど、子どもたちの中に眠る様々な能力を引き出し育てる役割も担います。一般的に、就学前までの幼児担当者を「チャイルドインストラクター」、小学生以上の子どもの担当者を「キッズインストラクター」と呼び分けることもあります。
(こんでぃしょにんぐ)
試合や大会、選考会といった特定の期日に合わせて、当日に最高のパフォーマンスを発揮できるよう、事前にコンディション(肉体、精神、健康状態)を調整していく行為のこと。とくにアスリートやプロ選手を支えるトレーナーには、トレーニング計画の立案からその後の調整まで、適切なコンディショニングを行う技量が求められます。
(じゅうどうせいふくし)
骨折・脱臼・打撲・捻挫といった怪我を、手術ではなく「整復」により治療する専門家のこと。整復とは、骨折や脱臼した箇所を元の位置に戻し、ギプスなどで固定して治癒を促す治療法です。柔道整復師は国家資格であり、資格を得るには専門学校や大学等に通って受験資格を得たのち、国家試験に合格する必要があります。
(しょうがいじしゃすぽーつしどういん)
障がい児・障がい者のスポーツを指導する人のこと。心身に障がいを持つ人が安全にスポーツを楽しむため、またパラスポーツ選手などの競技力向上のために、必要な指導や環境づくりを行います。主な関連資格として、(公財)日本パラスポーツ協会(旧:日本障がい者スポーツ協会)が認定する「公認パラスポーツ指導者(旧:公認障がい者スポーツ指導員)」があります。
(すいみんぐこーち)
スイミング(水泳)を教える専門家のこと。安全性に配慮しつつ、競技力の向上に焦点を当てて、泳ぎ方の基本から競技用の泳法まで様々なテクニックを指導し、競技選手や水泳を楽しむ一般の人々、子どもたちなどのスキル向上をサポートします。
(すとれっち)
「ストレッチ体操」の略で、筋肉や関節を伸ばすために行う体操のこと。筋肉が緩むことで柔軟性が向上し、関節の可動域も広がる効果があります。ストレッチはスポーツや運動の前後に行われるのが一般的ですが、日常的にも行うことで健康を維持する助けとなります。
(すぽーついんすとらくたー)
スポーツについての技術指導を行う人のこと。スポーツトレーナーとの明確な定義分けはありませんが、一般的には、スポーツトレーナーは健康管理やコンディショニング全般をサポートする役割を、スポーツインストラクターは特定の競技やダンスに関する技術指導をする役割を担っています。
(すぽーつえいようがく)
栄養学のうち、運動やスポーツ分野に特化したもの。運動を行う人は、年齢、性別、体質など様々な背景を持っています。スポーツ栄養学は、パフォーマンスの維持・向上を実現するために、必要な栄養素の種類や適正量、摂取の仕方やタイミングなどを科学的に研究し、実践していく学問です。
(すぽーつとれーなー)
アスリートから一般の老若男女まで、スポーツする人全般をサポートし、安全に行うための指導をする人のこと。目的に合わせた効果的なトレーニング計画の立案、実践方法の指導、栄養管理のサポートなどを行います。目的ごとに求められる役割や仕事内容が異なり、専門分野ごとに「アスレティックトレーナー」「パーソナルトレーナー」など呼び名が分かれています。
(すぽーつびじねす)
スポーツ関連の事業を行う企業や団体、業界を指します(行っている仕事そのものを指すこともあります)。具体的には、スポーツチームの運営、スポーツイベントの企画・運営、スポーツ関連施設の運営、スポーツ用品の開発・製造・販売、スポーツ関連メディアの運営など。もちろん、スポーツジムやフィットネスクラブもスポーツビジネスに含まれます。
(すぽーつりはびりとれーなー)
スポーツプレイヤーが怪我の治療をした後、スポーツ競技への復帰を目指したリハビリテーションを行うトレーナー。競技への復帰と故障の再発予防も目指し、当事者のモチベーションを維持しつつ訓練をサポートします。
(たいかん)
全身を支える中心部分、つまり胴体のこと。スポーツにおいて「体幹を鍛える」と言うときは、胴体(背中・腰・胸・腹・尻など)の筋肉を鍛えることを指し、これは正しい姿勢の維持やパフォーマンスの向上に役立ちます。
(ちゃいるどすぽーついんすとらくたー)
子ども向けのスポーツインストラクターのうち、就学前の幼い子どもを中心に指導を行う人のこと(ただし明確な定義はなく、幅広い年代の子どもに接する場合もあります)。スポーツや遊びを通じて、子どもたちに身体を動かす楽しさを伝え、コミュニケーション能力や積極性、社会性を育むサポートをします。
(ぱーそなるとれーなー)
スポーツトレーナーのうち、少人数、とくにマンツーマン(1対1)でトレーニング指導を行う人のこと。「筋肉をつけたい」「ダイエットしたい」など、一人一人の目的やライフスタイルに合わせたきめ細やかな指導が求められます。トレーニング計画の立案や実践指導、食事管理やメールや電話での個別相談を行う場合も多いです。
(ふぃっとねすくらぶ)
健康維持やダイエット、ボディメイクなど、目的に合わせた運動を実践できるように器具や設備、指導する人(スポーツトレーナー)を備えた施設のこと。ちなみに、フィットネス(fitness)は英語で「健康」や「健康状態が良好であること」という意味を持つ言葉です。
(めでぃかるとれーなー)
怪我を負った人のリハビリを助け、できるだけ早くスムーズにスポーツ生活に復帰できるようサポートするトレーナーのこと。治療を行う医師や理学療法士と連携をとり、治療後のリハビリ計画の立案や復帰までのトレーニング指導を行います。スポーツチームの他、整形外科や接骨院、介護施設等でも活躍しています。
(りがくりょうほうし)
怪我や病気の治療中〜治療後にかけて、日常生活やスポーツ競技に戻るためのリハビリテーションをサポートする専門家のこと。PT(Physical Therapist)とも呼ばれ、とくに筋肉や関節機能の回復をサポートします。理学療法士は国家資格であり、資格を得るには専門学校や大学等に通って受験資格を得たのち、国家試験に合格する必要があります。
「スポーツに関わる仕事」と聞くと、プロのスポーツ選手やジムで働くスポーツトレーナーが思い浮かぶ人が多いかもしれません。でもじつは、スポーツに日々触れることができる仕事は、もっとたくさん存在します。
全体像が掴めると、将来へのモヤモヤとした不安を払拭でき、夢や目標を設定しやすくなるでしょう。ということで、今回は「スポーツに関わる仕事」を5つのグループに分類して解説していきましょう。
まずは、プロスポーツに関わる仕事から。ちなみに、ここで言う「プロスポーツ関連の仕事」とは、試合や催し物を通して観客を楽しませ、その対価として報酬を得るスポーツ関連業種のことです。主に、次のような職種があります。
プロスポーツに関わる人だけでも、非常に幅広い職種があります。実際のプレイに直接関わる選手や監督・コーチだけでなく、選手とチームをサポートするマネージャーやエージェントも重要な仕事です。
また、プロスポーツを運営する企業・団体や、スポーツチームに所属する人にも様々な役割があります。もちろんこうした組織にも、一般企業と同じく、事務や総務、経理、営業、広報・マーケティングといった仕事が存在するので、たとえ身体を動かすことが苦手でも、スポーツに関わる仕事をすることは充分可能です。
2つめは、一般の人々がスポーツをする際の指導に関わる仕事です。たとえば、次のような職種があります。
これらは、スポーツ関連の仕事の中でもとくに需要が高く、多くの人に必要とされている仕事です。高齢者が徐々に増え、健康寿命に注目が集まる昨今、様々な目的や背景を持つ一般の人々に適切な運動の仕方を指導し、安全に身体を動かす方法をアドバイスできるトレーナーなどの存在は、非常に重要となっています。
これらの仕事は、自分自身が手本を見せながら指導を行うケースが多いので、「実際に身体を動かすことが好き」という人にはとくに向いています。
3つめは、スポーツ関連の仕事の中でも、人の身体や健康によりダイレクトに関わる「スポーツ×医療の仕事」です。たとえば、次のようなものがあります。
スポーツと医療はもともと深い関わりを持っています。スポーツ関連の怪我の治療に従事するスポーツドクター、スポーツ選手の健康管理やケガ予防をサポートするアスレティックトレーナー、治療後の競技復帰を支えるリハビリトレーナーなど、職種によって仕事内容も様々です。
医療行為を行う仕事には特定の資格が必須となるケースも多いので、スポーツ×医療の仕事を目指す際は、あらかじめ求められる資格についても調べておきましょう。
スポーツの世界に欠かせないのが、スポーツ用品の開発・生産や販売に関わる仕事です。具体的には、次のような仕事があります。
スポーツ用品を生み出し流通させる仕事は、業界を支える大きな役割を担っています。
スポーツ用品の開発や生産そのものを行う仕事以外にも、関連企業の事務職や営業、宣伝広報など、様々な仕事があります。身体を動かすこと以外にも自分の興味や得意がある人は、それを活かす形でスポーツ用品関連企業への就職を目指すのも一つの道です。
5つめは、スポーツ関連の情報を世間に伝える、報道・メディア関連の仕事です。テレビ、新聞、雑誌、web媒体など、様々な媒体での活躍が考えられます。具体的には、次のような仕事があります。
直接身体を動かすことはなくても、スポーツの楽しさや素晴らしさをたくさんの人に伝えることができる、やりがいの大きな仕事です。また、プロスポーツだけでなく、健康に関わる一般的なスポーツ全般の情報や、最新のスポーツ科学に関する情報などを扱うメディアもあります。
自身のスポーツ経験を活かしたり、トレーナーとして働きながら健康関連のメディア運営をしたりと、自分の興味に合わせて働き方をカスタマイズしていくこともできます。
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スポーツに関わる仕事には、色々な可能性があります。あなたの好きなこと、興味があること、得意なことをじっくり考えながら、自分に合った仕事を見つけてみてくださいね。
]]>平日の昼間などに保育園のそばを通りかかると、園児のお散歩に遭遇することがあります。行列でよちよちと歩いているほか、大きなカートに数人の園児が乗って移動している様子も、最近はよく見かけますよね。「お散歩カー」と呼ばれるあのカート、じつはかわいいだけじゃなく、保育士や園児たちにとって重要な役割を担っています。
今回は、お散歩カーの役割について分かりやすく解説します。
通称「お散歩カー」と呼ばれるあのカートは、中型〜大型の乳母車です。特徴としては、一般家庭で赤ちゃんを乗せて運ぶベビーカーよりも大きく、3〜4人乗りのもの、6人乗りのもの、8人乗りのものなど様々なサイズがあります。
また、子どもたちが立って乗れるワゴンタイプや、座って乗れるシートタイプなど、製品によって形や使い方も異なります。
共通しているのは、複数の子どもを乗せて手押しで移動できること。ノーパンクタイヤや頭上を覆う防炎シートが装備されているものもあり、普段のお散歩はもちろん、災害時にはスムーズな避難にも役立ちます。
お散歩カートを見て、「乗り物に乗っていてはお散歩にならないのでは?」と不思議に感じる人もいるかもしれません。確かに、カートに乗っている子どもたちは、自分の足で歩くことはできません。
しかし、お散歩カートに乗せての移動は、決して無意味なことではないのです。
というのも、保育園の中には子どもたちが遊べる園庭がない施設もあるため。とくに、都会の保育園や少人数の保育施設には園庭がないケースも多く、こうした施設で子どもたちに外遊びを経験させるためには、近所の公園などに連れて行く必要があります。
外遊びは、子どもたちの情緒や運動機能の発達において重要な役割を果たします。子どもは、思いきり身体を動かして遊ぶことで体力をつけ、外で四季折々の自然と触れ合うことで健全な情緒を育てます。
また、公園まで移動する道中の経験も大切です。地域の人と挨拶などを交わすことで社交性が身につき、集団で一緒に移動する中で団体行動や交通ルールを学ぶこともできます。
自分の足で歩くか歩かないかにかかわらず、園児たちにとってのお散歩は、心と身体の成長にとって大切な糧となるのです。
このように、保育園では欠かせない園児たちの移動。でも、小さな子どもを複数連れて移動することは、想像以上に大変です。
そこで役に立つのが、お散歩カー。お散歩カーには、次のようなメリットがあります。
最も大きなメリットは、やはり道路を安全に移動できることです。
子どもたちは、身の回りにあるたくさんのものに興味を持ちます。道端の景色に気を取られ、列を離れるといった危険な行動をとる可能性もあるでしょう。とくに、人数の多い子どもたちを一緒に移動させる場合は突発的な動きに対処できないリスクが膨らんでしまいます。
カート型のお散歩カーに乗せることで、交通量が多い道でも、複数の子どもたちと一緒に安全に移動することができます。
保育施設では、まだ自分の足では歩けない小さな子どもも預かっています。また子どもの成長には個人差があり、同じ年齢・月齢の子どもであっても歩く速度が異なります。
決まった人数の保育士が、限られた時間内で公園までのお散歩を行うためには、こうした子どもたちを一緒に移動させられるお散歩カーが便利です。
地震をはじめとする災害も気になる、昨今。大切な命を預かる保育施設では、災害対策も重要です。お散歩カーは、いざというときにたくさんの子どもを連れて避難するための避難車としても活用できます。
普段からお散歩カーに慣れていれば、有事の際にも子どもたちがスムーズにお散歩カーに乗り込みやすくなるでしょう。そうすれば、パニックによるリスクをある程度軽減できます。ちなみに、製品によってはお散歩カーが自治体の防災助成金制度の対象として認められる場合もありますので、導入の際はそこも含めて調べてみると良いかもしれません。
]]>スポーツトレーナーには色々な種類があります。たとえば、アスリートのコンディションを管理するアスレティックトレーナーや、怪我した人のスポーツ復帰をサポートするメディカルトレーナーなど。でも、多くの人が「スポーツトレーナー」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、スポーツジムやフィットネスクラブで働く「ジムトレーナー」ではないでしょうか?
今回は、スポーツ好きにぴったりな「ジムトレーナー」について、働く上で感じられるやりがいや、仕事の魅力、苦労することなどを紹介します。
ジムトレーナーとは、スポーツジムやフィットネスクラブで働くスポーツトレーナーのこと。インストラクターと呼ばれることもあります。
ジムトレーナーの主な役割は、スポーツ施設を利用する様々な人に、安全で楽しい運動の仕方を伝えること。施設利用者は子どもから大人まで幅広く、運動をする目的も人それぞれです。たとえば、ダイエット、筋肉増強、健康状態の維持・向上......など。
ジムトレーナーの仕事では、相手の目的に合わせてトレーニングや食事についてアドバイスしたり、器具の安全な使い方を教えたりします。また、担当クラスのスタジオレッスンや、受付、清掃、書類作成などの業務も行います。
ジムトレーナーの仕事には、様々なやりがいと魅力があります。
日々の仕事の中で、常にスポーツに携わり続けられるのが、ジムトレーナーの大きな魅力の1つです。スポーツが好きな人にとっては、身体を動かすことやスポーツに関わること自体が楽しく、大きな喜びになるでしょう。様々な事情でスポーツ選手の道を断念した人にとっても、無理なく、長く続けていける仕事です。
ジムやフィットネスクラブを利用する人にとって、ジムトレーナーは先生のような存在です。ジムトレーナーが安全を守りながら運動の実践をサポートするうちに、利用者が望む成果を出せたり、「スポーツの楽しさを知った」「スポーツが好きになった」と喜びの声をかけられたりする場面も多いもの。人の役に立てる仕事であり、感謝されるとともに、相手の成長の喜びを自分のことのようにも感じられる仕事です。
ジムトレーナーの仕事はシンプルに見えて奥深く、日々たくさんの刺激を受けることができます。ジムやフィットネスクラブは、老若男女、様々な人が利用します。もともとスポーツが好きな人もいれば、「運動はちょっと苦手で......」という人もいるでしょう。それぞれの利用者が楽しく運動を続けられるように、言葉のかけ方を工夫したり、仕事内容をブラッシュアップしたりする中で、自分自身も自ずと成長していけます。
ジムトレーナーは、様々な種類のあるスポーツトレーナーの中でも、とくに身近な仕事です。求人も比較的多く、自分に合った職場と出会うチャンスもその分拡がります。またジムトレーナーとしての経験は、将来のキャリアにも繋がります。将来的に独立開業を目指す人、「フリーランスのトレーナーとして活躍したい」「スポーツに関わる事業を立ち上げたい」といった目標を持っている人にとっても、ジムトレーナーの経験は大いに役立つはずです。
どんな仕事でもそうですが、やりがいもあれば苦労することもあるものです。ジムトレーナーの仕事には、どんな苦労があるのでしょうか?
ジムトレーナーに限らず、スポーツトレーナーの仕事では、スポーツに関する専門知識が求められます。スポーツ科学やスポーツ医学といった分野は、日進月歩で研究が進み続けているため、人に適切な指導をするためには最新の知識を学ぶ必要があります。この仕事では、自分の知識をブラッシュアップしていこう、という向上心が大切です。
同じ「がんばって」という言葉でも、人によって受け取り方は変わります。独りよがりの一方的な指導法では、自分の思いがうまく伝わらずもどかしい思いをしたり、ときにはトラブルになってしまったりすることも......。老若男女、様々な価値観を持つ人が利用するジムやフィットネスクラブでは、その人に合わせたコミュニケーションのとり方を工夫する必要があります。
ジムトレーナーは、基本的に立ち仕事です。また、インストラクターとしてスタジオレッスンを受け持つ場合は、毎日激しく身体を動かすことになります。ある程度の体力が必要な仕事であり、無理をしすぎて身体を壊すことなどがないよう、プロとしての体調管理も求められます。
このように、ジムトレーナーには大変なこともありますが、たくさんのやりがいも感じられる仕事です。とくに、大好きなスポーツに関われる点と、身体を動かす楽しさを人と分かち合えるという点は、大きな魅力と言えるでしょう。
一生懸命関わった施設利用者の方に、「成果が出たよ」とか「ありがとう」と言われたときは、苦労した分だけ大きな喜びも感じられるはずです。スポーツが好き!という人は、ぜひジムトレーナーの仕事を視野に入れて検討してみてくださいね。
歌に合わせて手指や身体を動かす「手あそび」は、子どもたちに大人気です。道具要らずで手軽に楽しめる上、子どもたちの脳や身体にまで良い影響を与えてくれるため、手あそびは保育園や幼稚園でも日常的に取り入れられています。
今回は、保育士にとって身近で重要な「手あそび」について、そのメリットや、保育士が行う際に意識したいポイントを解説します。
手あそびとは、歌いながら(もしくは歌を聞きながら)歌詞やリズムに合わせて手や指、身体を動かす遊びのことです。道具を使わないためいつでもどこでも始められますし、子どもの人数が1人でも大勢でも、楽しく遊ぶことができます。
手あそびは、幅広い年齢の子どもたちが楽しめる遊びです。たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんは、大人の歌を聞きながら、手や指の動きを目で追いかけて楽しみます。もう少し大きくなって、自分で手を動かせるようになると、大人の動きを真似することで脳や身体機能が発達していきます。
さらに成長して友だちと一緒に手あそびができる年齢になってくると、みんなで声や動きを合わせたり楽しみを共有したりすることで、情緒も発達していきます。
赤ちゃんとのスキンシップに最適な「一本橋こちょこちょ」や、にぎやかに遊べる「手をたたきましょう」、全身を使う「大きな栗の木の下で」など、手あそび歌にはたくさんの種類があります。子どもたちの月齢や年齢に合わせて、楽しみやすい歌を選びましょう。
手あそびは、子どもたちにどんな良い影響を与えてくれるのでしょうか? 大きく分けて5つのメリットを知っておきましょう。
手あそびを行うことで、子どもたちの脳は大いに刺激を受けます。「歌を聞きながら、リズムに合わせて、振り付けを真似する」という一連の動作は、大人でも五感を刺激されますよね。とくに手や指は、たくさんの神経が通っているため「第2の脳」とも呼ばれています。手あそびによる刺激は、子どもたちの脳の発達を促進してくれるのです。
手あそびでは、保育士や周りの友だちと一緒に歌い、同じ振り付けを真似し合って楽しさを共有できます。みんなで歌詞に合わせて「楽しい」や「面白い」という感情を表現したり、スキンシップを取り合ったりすることで、コミュニケーション能力を育てます。
手あそびの歌詞の中には、様々な言葉が登場します。歌詞に出てくるモノや動物、感情を表す言葉に触れることで、子どもの中にたくさんの語彙が生まれ、定着していきます。お気に入りの歌を通して、「この動物が好き」「あの歌に出てくる車はどんな形だろう?」など、新しい分野に興味を持つきっかけにもなるでしょう。
歌詞に登場する動物などになりきったり、「笑う」「泣く」といった感情表現をみんなで共有したりすることで、周囲の友だちや世界に対する想像力が鍛えられます。季節や行事に合った歌や、「お昼寝の前には眠りに関する歌」など、タイミングに合った歌を取り入れると、より良い効果があるでしょう。
歌のメロディに合わせて身体を動かすことで、リズム感や反射神経など、運動能力の向上にも役立ちます。とくに小さな子どもは、手や指を細かく動かす動作にあまりなじみがありません。保育士の振り付けを一生懸命真似するうちに、手先も自然と器用に動かせるようになっていきます。
手あそびには様々なメリットがあることが分かりましたが、それを上手に活かすには、どんなことを意識したら良いのでしょうか? 保育士が知っておきたい「手あそびのコツ」を3つご紹介します。
手あそびは、歌詞の世界に入りこんで楽しむことができる遊びです。その良さを活かすために、歌詞に合わせて表情を豊かに変化させながら歌いましょう。歌詞に出てくる感情が伝わりやすいように、歌のスピードを変えたり、声に強弱をつけたり、多少オーバーな動きを取り入れたりするのもおすすめです。
保育士の動作が小さいと、子どもたちには見えづらく、真似もしづらくなってしまいます。子どもたちが手あそびを思いきり楽しめるように、手指や身体を動かすときは、大きくゆっくりと見やすい動作を心がけましょう。
子どもたちは、繰り返すことが大好きです。手あそびの場合、同じ歌に繰り返しチャレンジすることで、歌詞の内容やリズムをより深く理解できるほか、動作も上手にできるようになるため、達成感に繋がります。「同じ歌ばかりでは飽きてしまうのでは」と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。子どもたちからリクエストがある歌は、何度でも繰り返し歌ってよいでしょう。
手あそびは、子どもたちにとって様々な効果があります。まずは保育士自身が歌や動きを楽しんで、ワクワクするような雰囲気を作っていきましょう。